Windows Server 2019 で RRAS サーバー、クラスター、または RDS の仮想 IP アドレス機能利用時に DHCP サーバーからの IP アドレスのリースが失敗する

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こんにちは、Windows プラットフォーム サポートです。
今回は RRAS サーバー、クラスター、または RDS の仮想 IP アドレス機能利用時に DHCP サーバーからの IP アドレスのリースが失敗する事象についてご説明します。

事象の概要

RRAS サーバー、クラスター、または RDS の仮想 IP アドレス機能を利用して DHCP サーバーから IP アドレスを取得する処理に失敗することがあります。
なお、本事象は RRAS サーバー、クラスター、RDS の仮想 IP アドレス機能を利用して DHCP サーバーから IP アドレスを取得する際に発生する事象のため、当該機能を利用せずに自身の IP アドレスを DHCP サーバーから取得する際には発生しません。

対象 OS

Windows Server 2019
※ Windows Server 2016 以前や Windows Server 2022 では発生しません。

条件

本事象は RAM が 3.5 GB を超えるマシンで発生します。

原因

DHCP Client サービスが別のプロセス (RRAS サーバー、クラスター、RDS の仮想 IP アドレス機能を実現するプロセス) から IP アドレスの取得を要求された際に、DHCP Client が他のプロセスの代わりに IP アドレスを取得する権限がないために本事象が発生します。

対処方法

  • Windows Server 2022 以降の OS を使用する。
    ※ RDS の 仮想 IP アドレス機能につきましては Windows Server 2022 ではサポートされておりません。
  • Windows Server 2019 を使用する場合には、以下の手順でレジストリを設定します。

設定変更方法 :

  1. 管理者として実行したコマンド プロンプトから以下のコマンドを実行してレジストリを設定します。
    1
    reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Dhcp" /v RequiredPrivileges /d "SeChangeNotifyPrivilege"\0"SeCreateGlobalPrivilege"\0"SeImpersonatePrivilege"\0 /t REG_MULTI_SZ /f
  2. OS を再起動します。

既定の設定に戻す方法 :

  1. 管理者として実行したコマンド プロンプトから以下のコマンドを実行してレジストリを設定します。
    1
    reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Dhcp" /v RequiredPrivileges /d "SeChangeNotifyPrivilege"\0"SeCreateGlobalPrivilege"\0 /t REG_MULTI_SZ /f
  2. OS を再起動します。

更新履歴
2023/08/31 : 本 Blog の公開
2023/09/07 : 「対処方法」に RDS の 仮想 IP アドレス機能の注意事項を追記

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