マルチセッションOS にて正しいパスワードを入力しているにも関わらず画面ロック解除が出来ない

Published Date: feedback 共有

※ 本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは。Windows Commercial Support Directory Services サポートチームです。

2025 年 8 月、表題の事象が報告されており、現在弊社内で調査を進めました。
現在、本事象の修正は更新プログラムに含まれるようになっており、本件と類似の事象がお客様環境で発生しておりましたら、是非更新プログラムの適用についてご検討いただけますと幸いです。

事象について

Azure Virtual Desktop(AVD)に代表されるマルチセッション OS 環境で、User01 がロック画面を解除しようとすると、認証要求が User01 ではなく User02 として送信されることがあります。その結果、次のような問題が発生します。
※ 現状動作が確認できているのは Windows 11 Version 22H2 / 23H2 / 24H2 / 25H2 となります。

・入力したパスワードは User01 のものなので、User02 としての認証は失敗する。
・User01 は認証に失敗するため、User01 は自分のデスクトップにアクセスできない。
・アカウントロックアウトポリシーが有効な場合、認証失敗が繰り返されることで、まったく関係のない User02 のアカウントがロックされてしまう。

事象を再現可能な手順

以下の手順で現象を再現可能です。

1.事象発生しているマルチセッション OS 環境に User02 でサインインし、User02 の画面をロックする。
2.User01 でサインインし、同時に User02 のロック画面の解除を試みる。
3.User01 が正常にサインインできることを確認する。
4.User01 の画面をロックする。
5.User01 のロック画面の解除を試みる。
このとき、Kerberos 認証のユーザー名が誤って 「User02」 に設定されているため認証が失敗し、User01 はロックを解除できません。アカウント ロックアウト ポリシーが構成されている場合は、User02 のアカウントが意図せずロックされることがあります。

手順 4 でロック画面の代わりにパスワード変更画面が表示された場合、そこに表示されるユーザー名も誤って「User02」と表示されます。

原因:レジストリ値をめぐる競合状態

この問題の本質は、複数のユーザーがほぼ同時にサインイン・ロック解除を行った際に、次の 2 つのレジストリ値を同時に読み書きしてしまう競合状態が発生することにあります。

親キー:

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Authentication\LogonUI\SessionData Value Name: LoggedOnUser Value Type: REG_SZ

ログオン セッション別キー:

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Authentication\LogonUI\SessionData\<SESSION_ID> Value Name: LoggedOnUser Value Type: REG_SZ

ポイントは、親キー直下の LoggedOnUser が全セッションで共有される一時的な受け渡し場所となっており、ここを複数ユーザー ログオンによる LogonUI.exe プロセスが奪い合うことで、値が入れ替わってしまいます。

結果として、「User01 のセッション ID」配下の LoggedOnUser レジストリ値に、 User02 の UPN が保存されているため、誤ったユーザーとして認証が試行された動作が発生しました。

事象に合致しているかどうか判断する方法

今まさにこの事象が発生している状態であれば、「User01 のセッション ID」配下の LoggedOnUser レジストリを確認することにより、間違った User02 の UPN がレジストリに入ってしまっているという状態を確認可能です。

もし現象が過去に発生した場合は、遡って根本原因を特定することは困難ですが、事象発生した時刻のセキュリティ イベント ID:4625 が存在すれば、ある程度推測可能です。

4625(F): An account failed to log on.

事象発生した際に、User01 でロック解除しようとしていましたが、ID:4625 で記録された、”ログオンを失敗したアカウント” のユーザーは User02 となります。
また、”エラー情報” には、0xC000006A が表示され、パスワードが間違っていることを示すエラーとなります。

修正プログラムの適用

該当不具合は、以下の 2026 年の更新プログラムで修正されております。

2026 年 3 月の月例更新プログラムで修正された OS バージョン:
・Windows 11, version 25H2
・Windows 11, version 24H2
2026 年 3 月 10 日 — KB5079473 (OS ビルド 26200.8037 および 26100.8037)

2026 年 5 月の月例更新プログラムで修正された OS バージョン:
Windows 11, version 23H2
Windows 11, version 22H2(サービス終了)
2026 年 5 月 12 日 — KB5087420 (OS ビルド 22631.7079)

更新履歴

2025/8/27 : 本ブログの公開
2026/7/10 : 本ブログの更新