UWP アプリに関する事象への初動対処について

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こんにちは。Windows サポートチームです。
今回は、UWP アプリに関する問題が発生した際にお試しいただける対処方法についてご紹介させていただきます。

■ 対象 OS

Windows 10 以降 / Windows Server 2016 以降

■ UWP アプリとは

UWP アプリとは Windows で動作するアプリの種類の一つを指しており、例として、スタートメニューや検索ボックス、Microsoft フォトアプリや付箋アプリ等が UWP アプリとして標準で搭載されています。
Windows には既定で様々な UWP アプリのパッケージがプロビジョニングパッケージとして組み込まれており、ユーザーの初回ログオン時 (プロファイルの作成時) には、プロビジョニングパッケージからそれぞれの UWP アプリのインストールが実行されます。

また、Windows に標準搭載されている UWP アプリについても大きく 2 種類に分類でき、OS の機能の一部として動作するシステムアプリと、OS の機能とは独立して動作するプロビジョニング済みアプリにわけられます。

▼ システムアプリの例

  • スタートメニュー
  • 検索ボックス
  • 設定アプリ etc

▼ プロビジョニング済みアプリの例

  • Microsoft フォト
  • 付箋
  • 電卓 etc

今回は、システムアプリ、およびプロビジョニング済みアプリのそれぞれをプロビジョニングパッケージから再登録 (再インストール) する方法をご紹介させていただきますので、UWP アプリの動作に関して意図しない動作が発生している場合には、本ブログでご紹介する対処方法がお役にたてば幸いです。

■ システムアプリの再登録手順

以下の手順を実行することで全システムアプリが再登録されます。
なお、以下の手順を実施いただいた場合にも、もともと正常に動作しているシステムアプリの動作への影響はございません。

  1. 事象が発生しているユーザーでログオンします。
  2. ログオンユーザー自身の権限で PowerShell を起動します。
  3. 以下の PowerShell スクリプトを実行し、全システムアプリの再登録を実行します。
  4. PowerShell プロンプトが入力可能な状態となりましたら処理が完了していますため、事象の解消可否をご確認ください。
    なお、もしも事象に解消が見られない場合や、PowerShell の実行がエラーになりましたら、対象の環境の内部動作から調査を行わせていただきたく存じます。
    そのため、■上記の対処が有効にならなかった場合の対応についてに案内させていただいている情報採取をご実施いただき、弊社サポート窓口までご相談をいただけますと幸いでございます。
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Get-ChildItem HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Appx\AppxAllUserStore\InboxApplications | % {Add-AppxPackage -Path ($_.GetValue("Path")) -Register -DisableDevelopmentMode -ForceApplicationShutdown}

■ プロビジョニング済みアプリの再登録手順

以下の手順を実行することで全プロビジョニング済みアプリが再登録されます。
なお、以下の手順を実施いただいた場合にも、もともと正常に動作しているプロビジョニング済みアプリの動作への影響はございません。

  1. 事象が発生しているユーザーでログオンします。
  2. ログオンユーザー自身の権限で PowerShell を起動します。
  3. 以下の PowerShell スクリプトを実行し、全プロビジョニング済みアプリの再登録を実行します。
  4. PowerShell プロンプトが入力可能な状態となりましたら処理が完了していますため、事象の解消可否をご確認ください。
    なお、もしも事象に解消が見られない場合や、PowerShell の実行がエラーになりましたら、対象の環境の内部動作から調査を行わせていただきたく存じます。
    そのため、■上記の対処が有効にならなかった場合の対応についてに案内させていただいている情報採取をご実施いただき、弊社サポート窓口までご相談をいただけますと幸いでございます。
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$frameworks = @{}
$applications = @{}
foreach( $application in Get-ChildItem HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Appx\AppxAllUserStore\Applications )
{
foreach( $framework in Get-ChildItem $application.PSPath )
{
$frameworks[([Environment]::ExpandEnvironmentVariables($framework.GetValue("Path")))] = 0
}
$applications[([Environment]::ExpandEnvironmentVariables($application.GetValue("Path")))] = 0
}

foreach( $framework in $frameworks.Keys )
{
Add-AppxPackage -Path ($framework) -Register -DisableDevelopmentMode -ForceApplicationShutdown
}

foreach( $application in $applications.Keys )
{
Add-AppxPackage -Path ($application) -Register -DisableDevelopmentMode -ForceApplicationShutdown
}

■上記の対処が有効にならなかった場合の対応について

  1. 以下の URL より “TSS.zip” をダウンロードおよび任意の場所に展開いただき、情報採取を実施する環境に配置します。

ダウンロード先: https://aka.ms/getTSS

(注意) TSS は機能の拡張などにより内容が変更されることがあります。そのため、毎回上記のダウンロード先から TSS を取得いただき使用してください。

  1. UWP アプリの動作不良が発生している環境に事象が発生しているユーザーでログインします。

  2. 管理者権限で PowerShell を起動し、以下のコマンドよりスクリプトの実行を許可します。

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    Set-ExecutionPolicy bypass -Scope Process -Force
  3. cd コマンドにて項番 1 で配置した TSS フォルダーのパスに移動します。
    (例)

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    cd "C:\path\to\TSS"
  4. 以下のコマンドを実行し、資料採取を開始します。
      ※ 使用許諾契約が表示されましたら、内容をご確認の上、ご同意いただけるようであれば、[Accept] を押下して進んでください。

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    .\TSS.ps1 -Start -PRF_AppX -UEX_COM -Procmon -BasicLog -PSR -LogFolderPath "C:\MS_DATA"
  5. ステップ記録ツール (Problem Step Recording : PSR) に関する確認が表示されますので、[Y] キーを押下して進んでください。

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    2
    [Action-Privacy] We need your consent to allow Problem Step Recording and-or Screen-Video recording, please answer Y or N
    Press Y for Yes = allow recording, N for No [Y,N]?
  6. 以下のメッセージが出力されるまで待ちます。

    1
    Reproduce the issue and enter ‘Y’ key AFTER finishing the repro (with window focus here) [Y]?
  7. ログオンユーザー自身の権限にて PowerShell をもう一つ起動し、再度システムアプリの再登録、もしくはプロビジョニング済みアプリの再登録スクリプトを実行します。

  8. スクリプトの実行後にも対象の UWP アプリが起動せず、事象に解消が見られないことを確認します。

  9. 項番 3 で起動していた管理者権限で動作している PowerShell に戻り、 ‘Y’ を入力し、資料採取を終了します。

  10. PowerShell プロンプトが入力可能な状態になりましたら、C:\MS_DATAフォルダに資料(Zipファイル)が出力されておりますので、弊社有償サポートまでご提供くださいますようお願いいたします。

本記事が皆様のお役にたちましたら幸いです。