言語パックインストール時のご留意点

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポート チームの浅野です。

突然印刷スプーラーが起動しなくなったという場合や、Windows の検索ボックスが動作しなくなるといった、OS 動作上の問題について、お問い合わせをいただくことがございます。
実はこれらの問題が、言語パックのインストールにより生じる場合がございます。

そこで今回は、言語パックをインストールいただく際のご留意点についてご紹介します。

概要

言語パックのインストール後に、以下のような問題が発生したとのお問い合わせをいただくことがございます。

  • 印刷やプリンターの追加に失敗する。
  • タスクバー上の検索ボックスが動作しなくなる
  • Azure VM にて、言語パックのインストール後、リモート デスクトップ接続に失敗する。
  • OS の設定画面などが、一部文字化けや、正常な表示とならない。
  • OS の動作に必須のサービスが起動しない、または異常終了する場合がある。
  • グループ ポリシー エディターを開くと複数のエラー メッセージが表示される

原因 ・ 対応策

上記の問題は、言語に依存しないバイナリ モジュールと、インストールされた言語で利用されているモジュールのバージョンの差異によって発生する可能性があり、最新の品質更新プログラムによって差異を解消いただくことが可能です。

特に、パブリック クラウド環境の VM など、コンソール接続が用意されていないリモート デスクトップ接続のみで接続を行う環境においては、[ようこそ画面とシステム アカウント] の言語設定など、再起動を伴う各種設定を進める前に最新の品質更新プログラムを適用いただく必要がございます。
最新の品質更新プログラムを適用前に言語設定の変更を行うと、バイナリ モジュールと言語に不一致が発生します。また、その不一致が起因となり、リモート デスクトップ接続に失敗し、VM の操作が行えなくなったり、予期せぬプログラムの不正終了が発生することがあります。

言語の概要 / 考慮事項

公開情報の抜粋

重要 :
言語パックをインストールした後、最新の累積的な更新プログラム (LCU) を再インストールする必要があります。 LCU を再インストールしないと、エラーが発生する場合があります。 LCU が既にインストールされている場合、Windows Update によって LCU が再度提供されることはありません。 LCU を手動でインストールする必要があります。

Windows では、言語に依存しない “EXE” や “DLL” 拡張子を持つ、アプリケーションやライブラリに対して、言語に依存する “MUI” と呼ばれるリソースを組み合わせることにより多言語対応を実現しております。
そのため、”EXE” や “DLL” ファイルが更新された際には、”MUI” ファイルも併せて更新を行う必要がございます。
弊社よりご提供いたしております更新プログラムは、その更新プログラムで更新されたモジュールに適合する “MUI” ファイルを含んでおりますが、言語パックは当該 OS バージョンのリリース時に作成された “MUI” ファイルの集合体であるため、更新プログラムを適用済みの環境に言語パックを新たにインストールした際には、本来必要なバージョンよりも古い “MUI” ファイルが使用されることとなります。

言語パックのインストールよりも後に、最新の品質更新プログラムを適用いただくことで、インストールした言語の “MUI” ファイルが本来必要なバージョンへと更新されます。
上述のような問題が発生した際、言語パックをインストールいただいたタイミングでありましたら、まずは更新プログラムを適用いただくことで、問題が解消する可能性がございますため、ご検討いただけますと幸いです。

また、Windows 10 以降の機能アップデート (Feature Update) で動的更新を無効の上、機能アップデートと言語パックを Setup コマンドを用いてオフラインで適用する場合は、バージョンアップ後に最新の品質更新プログラムを適用し、再起動を一度実施の後 [ようこそ画面とシステム アカウント] の言語設定の変更を実施ください。

いかがでしたでしょうか。本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時でのものであり、予告なく変更される場合があります。


更新履歴
2022/06/17 本 Blog の公開
2022/06/22 原因 ・ 対応策について追記
2022/08/24 原因 ・ 対応策について追記
2023/03/06 概要について追記