Windows における前提 SSU の確認方法について

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※本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

概要

毎月の累積更新プログラムを適用する際に、前提のサービス スタック更新プログラム (SSU) の適用が必要な場合があります。

インターネットの Microsoft Update サイトに接続して Windows Update を実施する場合、自動的に最新の SSU を取得して適用する動作となるため、基本的には前提条件の SSU を意識することなく、更新プログラムを適用することが可能です。

また、WSUS 経由で更新プログラムの適用を行う場合、或いは手動で Microsoft Update カタログサイトから特定の更新プログラムを取得して適用する場合には、前提条件となる SSU を事前に確認する必要があるシナリオがございます。

その際に、公開情報から前提条件となる SSU を確認する方法を本記事にてご紹介いたします。

前提 SSU または 推奨 SSU の見分け方

対象のOS:
Windows 10、Windows Server 2016、Windows Server 2019、Windows Server 2022

結論から申し上げますと、適用する更新プログラムに対して前提 (必須) SSU か、または推奨 SSU かにつきましては、その SSU が最初に必要とされた累積更新プログラム (またはマンスリー ロールアップ) のサポート技術情報に記載がございます。
以下、Windows Server 2016 における実例に合わせて解説いたします。

たとえば、2021 年 2 月 9 日の KB4601318 のページには、適用する際の前提条件として SSU KB5001078 が必要であると記載されております。つまり、この時点で初めて SSU KB5001078 が 2021 年 2 月 9 日の KB4601318 の前提条件となっており、必須であることが確認できます。

参考情報1
タイトル : 2021 年 2 月 9 日 - KB4601318 (OS ビルド 14393.4225) - EXPIRED
アドレス : https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/c5e3de6c-e3e6-ffb5-6197-48b9ce16446e

前提条件
この累積的な更新プログラム (LCU) をインストールする前に、新しいサービス スタック更新プログラム (SSU) KB5001078をインストールする必要があります。

ただし、それ以降にリリースされたマンスリー ロールアップに関しては、公開情報の表現が若干変わり、以下の通り、推奨する旨が記載されております。

参考情報2
タイトル : 2021 年 3 月 9 日 - KB5000803 (OS ビルド 14393.4283)
アドレス : https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/ee0e6301-3428-4a14-8e67-d69c5b31c66a

Microsoft では、最新の累積的な更新プログラム (LCU) をインストールする前に、オペレーティング システムに応じた最新のサービス スタック更新プログラム (SSU)をインストールするよう強くお勧めしています。
(中略)
Windows Update を使用している場合は、最新の SSU(KB5001078)が自動的に提供されます。

上記のような記載がされている理由の一つとして、マンスリー ロールアップは毎月適用されるものという位置付けであり、基本的に 2 月分 (前述の例では 2021 年 2 月 9 日 - KB4601318) を適用されていれば、SSU の前提条件(KB5001078) を満たしていることになりますので、翌月の 3月分 (前述の例では 2021 年 3 月 9 日 - KB5000803) はそのまま適用可能である点にございます。

ただし、マンスリー ロールアップをスキップして適用する場合、途中のマンスリーロールアップに特定の SSU が必須の前提条件となってる可能性がございますので、その SSU か、もしくはそれより新しい SSU を適用しないと、マンスリー ロールアップ自体が適用できない事象が発生する場合がございます。
なお、マンスリー ロールアップを適用する前に、公開情報に記載された最新の SSU を適用すれば、基本的に前提条件を満たすことになりますので、最新の SSU を適用する事が最も適した適用方法となります。

補足:Windows Server 2012 R2 及び Windows 8.1 について

2014 年 4 月のマンスリー ロールアップが適用されている状態であれば、それ以降の更新プログラムに関して、公開情報の更新履歴に記載されているとおり、特に SSU の前提条件はございません。
ただし、2014 年 4 月のマンスリー ロールアップが適用されていない環境では、それ以降の更新プログラムを適用するには2014 年 4 月のロールアップ(KB2919355)を適用する必要があり、その際に KB2919355 の前提となる SSU が設けられております。

・2014 年 3 月のサービス スタック更新プログラム KB2919442
・もしくはそれ以降にリリースされた最新のサービス スタック更新プログラム

参考情報1
タイトル:Windows RT 8.1、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2 の更新プログラム: 2014 年 4 月
アドレス :https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/3c9d820b-7079-359d-8660-21de648fa31d

重要 Windows RT 8.1、Windows 8.1、Windows Server 2012 R2 の今後のセキュリティおよびセキュリティ以外の更新プログラムはすべて、この更新プログラムをインストールする必要があります。

参考情報2
タイトル : Download Windows 8.1 Update (KB2919355) from Official Microsoft Download Center
アドレス : https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=42327

KB2919442 は、Windows 8.1 Update のの前提条件であるため、KB2919355 をインストールする前にインストールする必要があります。

上記の情報を整理すると、2014 年 4 月のマンスリー ロールアップが未適用のWindows Server 2012 R2 または Windows 8.1 におきまして、最新版(本稿作成時点では、2022年4 月)のマンスリー ロールアップを適用するには、以下の順に適用する必要がございます。

  1. 2014 年 3 月のサービス スタック更新プログラム KB2919442 または最新の SSU を適用
  2. 2014 年 4 月のロールアップ(KB2919355)を適用
  3. 2022 年 4 月のマンスリーロールアップを適用

上記以外の OS について

本記事掲載時点では、以下の OS に関して、特に累積更新プログラムの前提条件となる SSU はございません。
Windows Server 2012
Windows 11

特記事項

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