本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは。Windows プラットフォーム サポートの馬場です。
Azure Virtual Desktop (AVD) 環境で、タイムゾーン リダイレクトを利用する環境において、AVD 接続にてサインインしたユーザーと、システム アカウントのタイムゾーンが異なる場合があります。この動作は Windows の想定動作になります。
このタイムゾーンの差異により問題が発生するアプリケーションなどをご利用の環境では、システム アカウントを意図するタイムゾーンに変更することで、問題を解決いただける可能性があります。
このブログでは、AVD 環境での、システム アカウントや、ユーザーが利用するタイムゾーンの設定方法、設定時の注意事項などについてご紹介いたします。
AVD 環境でのタイム ゾーンの動作について
AVD 環境では複数のタイム ゾーンから同一のセッション ホストにサインインされる可能性があるため、各ユーザーのタイム ゾーンをリダイレクトする設定が推奨されています。
この構成の場合システム アカウントのような非対話型セッションのタイム ゾーンはリダイレクトされることはなく既定のタイムゾーンで動作します。
そのため、サービスと連携して動作するが複数のタイム ゾーンに対応していない (システム時間とユーザーのタイム ゾーンが同じであるとの前提で動作する) アプリケーションを利用する場合、
サービス セッション (システム アカウント)のタイム ゾーンとユーザー セッションのタイム ゾーンが異なる場合があります。
この事象は、システム アカウントのタイム ゾーンを設定することでずれの発生を防ぐことが可能です。
注意事項
このブログで紹介するタイムゾーンの設定手順は 以下に記載の”タイムゾーン リダイレクトを許可する” のポリシーが設定されている場合、正しく設定ができない場合がございます。
[コンピューターの構成]
- [管理用テンプレート]
- [Windows コンポーネント]
- [リモート デスクトップ}
- [リモート デスクトップ セッションホスト]
- [デバイスとリソースのリダイレクト]
“タイムゾーン リダイレクトを許可する”
設定手順を実施する際には当該ポリシー設定をご確認いただき、一時的に無効、または未構成にしていただくようお願いいたします。
設定完了後、ポリシー設定を元に戻していただくことが可能です。
設定手順
リモート デスクトップ セッション ホスト上で、タイム ゾーンを変更していただくことで設定が可能です。
※タイム ゾーンの変更は管理者権限で実施します。
※下記コマンドレットは日本標準時 (UTC+ 9 )に設定する際のサンプルです。
※設定完了後、設定を正しく反映するために再起動が必要です。
コマンド プロンプトを利用する場合：
1.リモート デスクトップ セッション ホストにサインインする
2.管理者権限でコマンド プロンプトを起動する
3.tzutil /s “Tokyo Standard Time” コマンドを実行する
下記コマンドを利用し、変更が正しく行われたことを確認することが可能です。
tzutil /g
PowerShellを利用する場合：
1.リモート デスクトップ セッション ホストにログインする
2.管理者権限でPowerShellを起動する
3.Set-TimeZone -Id “Tokyo Standard Time” コマンドを実行する
下記コマンドを利用し、変更が正しく行われたことを確認することが可能です。
Get-TimeZone
設定画面から行う場合：
1.リモート デスクトップ セッション ホストに管理者アカウントでログインする
2.スタート>設定>時刻と言語>日付と時間の順に移動する
3.タイムゾーンから (UTC+09:00) 大阪、札幌、東京を選択してください
“時刻とタイム ゾーンを設定する方法”
https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/dfaa7122-479f-5b98-2a7b-fa0b6e01b261
補足
本事象に関しまして、弊社では複数のタイム ゾーンからのサイン インを前提としたアプリケーション開発を行う際に利用可能な
開発者向けガイドラインも提供しております。
“日付、時刻、およびタイム ゾーン”
https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/standard/datetime/
“timezoneapi.h header”
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/api/timezoneapi/