Windows Server におけるマルチホーム構成

Last Update: feedback 共有

本記事は 2016 年 5 月 12 日に公開された記事を本ブログに移行した記事になります。

こんにちは、Windows プラットフォームチームの加山です。
今回は Windows Server におけるマルチホーム構成についてあらためて説明します。

マルチホーム構成とは、サーバーやクライアントが複数のインターフェイスを保持している状態を指します。これらのインターフェイスは、別々のネットワーク インターフェイス カード (NIC) になることもあれば、1 つの NIC に割り当てた複数の IP アドレスになる場合もあります。複数のインタフェースをそれぞれ別々のネットワークに接続することで、複数のネットワーク上のリソースにアクセスする要件が在る場合や、通信経路の冗長性確保、負荷分散等の実現に用います。

しかしながら、マルチホーム (複数の NIC もしくは 1 つの NIC に複数の IP アドレス) を正しく構成しないと、通信帯域が増加しなかったり冗長化できなかったりするばかりか、マルチホーム化しなければ可能だった通信が失敗してしまうこともあり得ます。このため、構成にはノウハウが必要です。また、製品やサービスによっては、マルチホーム構成を推奨していないものもあります。各サービスの特性を理解し、正しく構成することでマルチホームに起因する多くの問題は解決可能ですが、通信失敗など重大なトラブルが発生しやすくなることもご理解ください。

このため、マルチホーム環境に例えば以下のような役割を持たせることは弊社サポートチームではお勧めしておりません。マルチホーム構成そのものを実現することは可能でありサポートされておりますが、複雑さが高まることや構成面で考慮が必要となり、特別な要件がない限り推奨いたしません。これは Windows Server 2012 (R2) でも同様です。

  • ドメイン コントローラー
    • ドメイン コントローラー昇格時に意図しないネットワーク アダプターを通して通信をする可能性があります。これら動作を抑制するためには昇格時に一時的にネットワーク インターフェイスを無効にして昇格処理を実施ください。
  • DNS サーバー
  • WINS サーバー
  • DHCP サーバー
  • ブラウザ マスター

例えば、Windows Server 2012 (R2) 環境でマルチホームを構成した場合の技術情報としては以下がございます。
参考にしていただければと思います。

Records on WINS server are added incorrectly when you use the Netsh command in Windows Server 2012 R2 or Windows Server 2008 R2
https://support.microsoft.com/en-us/kb/2939490

なお、Windows Server 2012 R2 に限らない技術情報としては以下もございますので、参考としてご覧ください。

マルチホーム ドメイン コント ローラー上で Active Directory の通信が失敗します。
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/272294

マルチホーム サーバーを構成する ※ DNS サーバー
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc772564.aspx

[特記事項]
本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。