黒画面となった場合の改善方法

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Remote Desktop►Azure Virtual Desktop (AVD)
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※本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、日本マイクロソフトの Windows サポートチームの矢野です。

Azure Virtual Desktop もしくは Remote Desktop Service を利用している際、AVD, リモートデスクトップ接続時/ログイン時に黒画面となった場合の改善方法につきましていくつかご紹介させていただきます。

  1. セッションホストのスペックの増強
    ご利用のセッションホストの性能がボトルネックとなり、黒画面となる事例が多く報告されております。
    特に Azure Virtual Desktop をご利用の場合、性能がボトルネックとなる場合が多くございます。
    スペックを設計する上の目安となる情報をご案内しているため、ご利用のセッションホストが、このスペックより低くないかご確認いただき、必要に応じて増強をご検討ください。

  2. セッションホスト当たりのユーザー数の見直し
    セッションホストのピークとなる負荷は、ご利用方法により異なりますが、ログオン時がピークとなる事例が多くあります。
    特に多くのユーザーが同タイミングにログオンされる場合、ログオン時の負荷が著しく高くなる傾向になるようです。
    また、 Azure Virtual Desktop をご利用の場合、プロファイルソリューションとして FSLogix を採用頂いているケースが多く見受けられます。
    FSLogix では、プロファイルデーターは、Azure NetApp Files や Azure Files に保存されているため、ローカルにあるファイルのアクセスと比べますと遅延が発生する傾向があり、多くのユーザーが同タイミングにログオンすると、この遅延が顕著になる傾向にあります。
    セッションホストのピークとなる負荷とユーザー数を比べていただき、ユーザー数の見直しをご検討ください。

  3. セッションホストのパフォーマンスチューニング
    セッションホストとクライアントとは、RDP (Remote Desktop Protocol) で通信をしており、クライアントのデスクトップと比べまして、同一のパフォーマンスにするのは困難です。
    このため壁紙を削除するなどを行い、帯域幅使用量を削減することで、改善されますかご確認ください。

リモート デスクトップ セッション ホストのパフォーマンス チューニング | Microsoft Docs

Azure Virtual Desktop のリモート デスクトップ プロトコル帯域幅の要件 - Azure | Microsoft Docs

また、上記で記載しました通り、ログオン時の負荷が高い傾向にあるため、ログオン時に起動されるプログラム、スクリプトが存在する場合、それらの起動を遅延させることで改善こともございます

  1. 最新の更新プログラムを適用する
    一部の更新プログラムでは黒画面の修正が行われた例がございますため、最新バージョンの更新プログラムを使用することで事象が改善されますか、ご確認くださいますようお願い申し上げます。

Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2 の毎月の品質プログラムのロールアップの 2016年 11 月のプレビュー (microsoft.com)

2021 年 7 月 20 日 — KB5004308 (OS ビルド 17763.2090) プレビュー

** Windows10 環境をご利用のお客様の場合は、一度黒画面事象発生前段階まで、切り戻していただくか、再度 AVD を展開の上、2023 年 3 月以降の累積更新プログラムを適用くださいますようお願いいたします。 **
この更新プログラムでは、ユーザーログインが行われる度に Appx State Repository ファイルが増大する問題に対処しており、遅延のが改善が見込まれます。
しかしながら、一度肥大化された Appx State Repository ファイルを縮小するサポートされた方法は残念ながらございません。
そのため既に肥大化が発生してしまったセッションホストは、OS の切り戻しもしくはセッションホストの再展開を実施頂く必要がございます。

2023 年 2 月 21 日 — KB5022906 (OS ビルド 19042.2673、19044.2673、19045.2673) プレビュー

2024 年 10 月 22 日 — KB5045594 (OS ビルド 19045.5073) プレビュー

・公開情報抜粋
この更新プログラムは、Appx State Repository に影響する問題に対処します。 ユーザー プロファイルを削除すると、クリーンアップが不完全になります。 このため、データベースは時間の経過に伴って増加します。 この増加により、ユーザーが FSLogix などのマルチユーザー環境にサインインすると遅延が発生する可能性があります。

  1. デバイスのインストール制限
    接続先の RDP 用のキーボード、マウスのデバイス情報が何らかの理由で破損したことにより、黒画面となる、または接続に失敗するという事例が複数確認されております。
    ※RDP 用の キーボード、マウスはセッションごとに用意されるのでセッションが異なると接続できる場合があります。
    以下のポリシーが有効となっている場合、本項目が該当する可能性がございますため、切り分けとして以下の通りに RDP 用のキーボード、マウスへの許可を行う、もしくはポリシー自体を無効にしていただけますと幸いでございます。

コンピューターの構成
→管理用テンプレート
→システム
→デバイスのインストール
→デバイスのインストールの制限

上記に該当しない場合

上記の通りに事例をご紹介させていただきましたが、上記内容のどれにも当てはまらない場合、基本的には事象発生時の完全メモリダンプを採取頂き、弊社にて調査を進めさせて頂く形となります。
また、黒画面事象の発生状況によっては WPR (Windows Performance Recorder) 等、ダンプファイル以外での調査が有効となりますため、具体的な情報採取内容につきましては、
弊社サポートまでお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。

その際、以下内容につきましてご連携いただけますと幸いです。
・事象再現頻度
※事象再現頻度が低い場合は調査が困難となります。
・事象発生契機
・黒画面事象発生した際時間待機によりデスクトップ画面が表示される状況か
・特定接続マシン/特定接続元マシン/特定ユーザーにて発生する事象か

完全メモリダンプの採取方法につきましては、以下の弊社ブログをご参考ください。

完全メモリ ダンプの出力設定

Azure Windows VM で完全メモリ ダンプを採取する方法

なお、VMWare 社様、Citrix 社様等の 3rd Party製 VDI ソリューションをご利用の場合、それらのソリューションは、各社様がサポートを提供しているため、ご利用の VDI ソリューションを提供しているメーカー様にお問い合わせください。

更新履歴 - Update History

  • 2023/04/03: 内容加筆
  • 2024/12/02: 内容加筆