UWP アプリのインストールに失敗する事象への初動対処について

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こんにちは。Windows サポートチームです。
今回は、UWP アプリのインストールに失敗する問題が発生した際にお試しいただける対処方法についてご紹介させていただきます。

■ 対象 OS

Windows 10 以降 / Windows Server 2016 以降

■ UWP アプリとは

UWP アプリとは Windows で動作するアプリの種類の一つを指しており、例として、Microsoft フォトアプリや付箋アプリ等が UWP アプリとして OS に標準で搭載されています。また、Microsoft Store などから UWP アプリを追加でインストールすることも可能です。

▼ OS に標準で搭載されているアプリの例

  • Microsoft フォト
  • 付箋
  • 電卓 etc

▼ Microsoft Store から追加でインストールするアプリの例

  • Microsoft Whiteboard
  • ポータル サイト (Company Portal) etc

今回は、上記の UWP のインストール (再インストール) に失敗する事象が発生した場合の対処方法をご案内いたしますので、ご参考としていただけますと幸いです。


■ インストールの方法

UWP アプリのインストール方法として、主に以下の方法が挙げられます。
特定のインストール方法に失敗する場合、状況に応じて他のインストール方法についてもご検討ください。

  • インターネット経由でのインストール
    – Microsoft Store からインストール
    – winget install コマンドでのインストール
    – Intune からアプリをインストール

  • オフラインでのインストール
    – オフライン パッケージ からインストール

参考 - winget を用いた Microsoft Store アプリのオフライン ダウンロードについて
https://jpwinsup.github.io/blog/2024/06/10/UserInterfaceAndApps/winget-store-download/


■ インストールに失敗するときにご確認いただきたいこと

UWP アプリのインストールに失敗する事象が発生する場合には、まず以下の点についてご確認ください。

[1] 必要なサービスが無効化されていないか
[2] 必要なエンド ポイントへのアクセスが制限されていないか (インターネット経由のインストールの場合)
[3] インストールを実行するユーザーのコンテキストは問題ないか
[4] 依存するパッケージはインストールされているか

[1] 必要なサービスが無効化されていないか

UWP アプリのインストール、実行にあたり必要なサービスがございます。
以下のサービスが無効化されている場合には、有効化することで改善が見られるかご確認ください。

  • AppX Deployment Service (AppXSVC)
  • Microsoft Store インストール サービス (InstallService)
  • Microsoft Account Sign-in Assistant (wlidsvc)

[2] 必要なエンド ポイントへのアクセスが制限されていないか (インターネット経由のインストールの場合)

Microsoft Store や winget、Intune でのインストールなど、インターネット経由でのアプリのインストールに必要なエンド ポイントがございますので、こちらへのアクセスが制限されていないかご確認ください。

具体的に対象となるエンド ポイントにつきましては、以下の公開情報にございます Microsoft Store、Windows Update の項目に記載の URL への制限有無をご確認ください。

Windows 11 Enterprise の接続エンドポイントの管理
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/privacy/manage-windows-11-endpoints

Windows 10 Enterprise バージョン 21H2 の接続エンドポイントを管理する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/privacy/manage-windows-21h2-endpoints

[3] インストールを実行するユーザーのコンテキストは問題ないか

UWP アプリはユーザーごとにインストール状態が管理されており、UWP アプリのインストールを実行したユーザーに対してのみ、該当の UWP アプリがインストールされる動きとなります。そのため、基本的には UWP アプリのインストールの際は、インストールさせたいユーザーのコンテキストでインストールの実行をご実施ください。

良くお問い合わせいただく例として、以下のようなシナリオにご注意ください。

  • 管理者アカウントでインストールを実行する
    → 実行した管理者アカウントでのみ、アプリがインストールされます。

  • 管理者権限に昇格してインストールを実行する
    → 管理者アカウントに昇格すると、昇格したアカウントに対してアプリがインストールされます

[4] 依存するパッケージはインストールされているか

UWP アプリには、依存するフレームワーク パッケージが存在する場合がございます。依存するフレームワーク パッケージがインストールされていない場合、アプリのインストールはエラーとなります。

オフライン パッケージを利用してインストールを実施する場合には、依存するフレームワーク パッケージを先にインストールするか、アプリのインストールの際に依存パッケージを指定するようにしてください。

<コマンドで依存するフレームワーク パッケージを指定してインストールを実行する方法>

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Add-AppxPackage -Path <パッケージ(.AppxBundle 形式)のファイルパス> `
-DependencyPath @( `
<フレームワーク(.Appx 形式)のファイルパス>, `
<フレームワーク(.Appx 形式)のファイルパス>, `
<フレームワーク(.Appx 形式)のファイルパス> `
)

* -DependencyPath にはカンマ区切りで必要なフレームワークをすべて指定します。

<実行例>

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Add-AppxPackage -Path "C:\temp\Microsoft.WindowsCalculator_2020.2103.8.0_neutral_~_8wekyb3d8bbwe.
AppxBundle" `
-DependencyPath @(`
"C:\temp\Microsoft.UI.Xaml.2.4_2.42007.9001.0_x64__8wekyb3d8bbwe.Appx", `
"C:\temp\Microsoft.VCLibs.140.00_14.0.30704.0_x64__8wekyb3d8bbwe.Appx" `
)

なお、Microsoft Store、Intune、winget install でアプリをインストールする場合には自動的に必要なフレームワーク パッケージを入手しインストールするため、基本的には依存するパッケージついては特に気にする必要はございません。


■上記の対処で事象が解消しなかった場合の対応について

以下のヒアリング事項と資料採取手順について可能な範囲で情報を収集いただき、弊社サポート窓口までお問い合わせをいただけますと幸いでございます。

▼ ヒアリング事項

  • 問題はいつから発生しておりますでしょうか。
  • 特定のアプリのみで問題が発生しておりますでしょうか。
  • 特定の端末のみで問題が発生しておりますでしょうか。
  • 問題が発生する端末において、異なるユーザーでも同様の事象が発生しますでしょうか。
  • 具体的なエラーメッセージなどは表示されておりますでしょうか。
     (もし表示されておりましたら、メッセージの画面キャプチャをご提供ください)

▼ 資料採取手順

OS に既定でインストールされている UWP アプリのインストールに失敗する場合は、以下の URL の手順を参考に資料をご採取ください。

▽ UWPアプリが正常にインストールされていない事象の調査
https://jpwinsup.github.io/mslog/shell-and-uwp/apps/uwpnotinstalled/

その他のシナリオで UWP アプリのインストールに失敗する場合は以下の URL の手順にて資料をご採取ください。

▽ Microsoft Store からアプリをインストールできない事象の調査
https://jpwinsup.github.io/mslog/shell-and-uwp/apps/app-from-msstore/

本記事が皆様のお役にたちましたら幸いです。