Windows Server 2022 における Imebroker.exe のアプリケーション エラー イベント

Last Update: feedback 共有

本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。

今回は Microsoft IME に関してよくあるお問い合わせについてご紹介させていただきます。

特定の OS において Microsoft IME のコンポーネントとなる Imebroker.exe が一時的に停止し、以下のようなアプリケーション エラーのイベントが記録される場合があります。

イベント 1000, Application Error , 障害が発生しているアプリケーション名: imebroker.exe , 例外が発生しているモジュール名: imjppred.dll

事象の発生条件

本事象は以下の 3 つの条件にすべて該当する場合に発生することを確認しております。

  1. Windows のバージョンが以下であること。
    Windows Server 2022
  2. Microsoft IME 日本語入力を利用していること。
  3. Active Directory Domain Services (ADDS) をインストールし、DC に昇格していること。

事象の概要

本事象は日本語 Microsoft IME が日本語入力に利用するプロセスである imebroker.exe が、内部的に他のコンポーネントとの通信を試みたものの、通信先での処理が完了できずタイムアウトが発生した場合に、よりクリティカルな問題の発生を避けることを目的としてプロセスを自動的に終了することで生じる動作です。

エラー値 0xc0000409 やエラー メッセージからはアプリケーションの侵害等を懸念される場合もおありかと存じますが、実際には正しい処理を行うため、安全を期するためのプロセス停止となりますので、ご安心ください。
またプロセスの終了後には、ただちに Imebroker.exe プロセスが再起動されるため、ほとんどの場合には日本語入力が行えないなどの事象が発生することもございません。

回避策

残念ながら、今時点でイベントの記録を回避する方法についてはご用意がございません。上述のとおり本エラー イベントは問題が検出されたことを表すものではございますが、回復可能で対処が不要なイベントでございますため、イベント ログの監視を行われる場合には対象のイベントについてはご放念いただく形でご対応ください。

なお Windows Error Reporting Service (WerSvc) が無効化されているなど Windows エラー報告が動作しない環境では、アプリケーション エラーのイベントの記録が行われず、以下のようなポップアップ ウィンドウが表示されるケースも報告されています。この場合にはポップアップ ウィンドウを閉じてご対応いただきますか、または Windows エラー報告が動作するよう、既定の設定に戻していただく対応をご検討ください。

ImeBroker.exe - システムエラー , このアプリケーションで、スタックベースのバッファーのオーバーランが検出されました。このオーバーランにより、悪質なユーザーがこのアプリケーションを制御できるようになる可能性があります。

弊社での対応

マイクロソフトでは、この問題を上記のマイクロソフト製品の問題として認識しており、対応を検討しております。
この問題について新たな情報が確認でき次第、本ブログ記事を更新させていただきます。

本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時でのものであり、予告なく変更される場合があります。

更新履歴

2024/01/17 本 Blog の公開