本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポート チームの近藤です。
本日は表題の問題についての情報をご紹介いたします。
問題の概要
Microsoft Excel や他社ソフトウェア等の機能として、直接 Outlook メッセージの作成ウィンドウを開く機能が実装されている場合がありますが、この機能の利用時に、アプリケーションが応答なしになる問題が報告されております。
またこの問題は “以前のバージョンの Microsoft IME を使う” 設定をオンにしていただくことで回避が可能です。
問題の詳細
弊社 Excel 製品や他社ソフトウェア製品等の機能として、Outlook メッセージの作成ウィンドウを開く機能が実装されている場合があります。
このような機能は MAPISENDMAILW API により実装可能ですが、アプリケーションがこちらの API を使用して Outlook メッセージの作成ウィンドウを開き [宛先] [CC] などのボタンから連絡先ウィンドウを開くと、呼び出し元のアプリケーション及び、Outlook アプリケーションがハングアップし、応答できなる問題が発生する場合があります。
この問題は Windows 10 の日本語入力、中国語入力に関する実装上の問題により発生していることが特定されており、また Windows 11 において改善しております。また Windows 10 においては “以前のバージョンの Microsoft IME を使う” 設定をオンにしていただくことで、回避いただくことが可能です。
問題の発生条件
この問題は日本語入力 (または中国語入力) を利用している Windows 10 version 20H2 ~ 22H2 または Windows 10 LTSC 2021 において発生することが確認されております。
またこの問題は MAPISENDMAILW API においてモーダル ウィンドウを開く MAPI_DIALOG フラグを付加して Outlook メッセージの作成ウィンドウを開いている場合にのみ発生しますので、弊社 Excel 製品のバージョンにより、また他社ソフトウェア製品の実装により、発生する場合と発生しない場合とがあります。
問題への対処方法
今時点でこの問題は [宛先] [CC] 等のボタンから連絡先ウィンドウを開いた場合のみ、発生が確認されています。そのため、これらのボタンを押さないことで問題の発生を回避することが可能です。
またこの問題の発生には、Windows 10 version 2004 以降で実装された新しい Microsoft IME の実装が関係しており、”以前のバージョンの Microsoft IME を使う” 設定をオンにしていただく形でも回避が可能です。設定方法等についてはこちらの記事をご参照ください。
なお残念ながら、問題の発生後に元のアプリケーションの状態、元の Outlook メッセージ画面に戻る方法はございません。例えばタスク マネージャー等から Outlook および、呼び出し元のアプリケーションを終了して、再度アプリケーションの開始から再開するなどのご対処をいただけますよう、お願いいたします。
本情報がお客様の問題解決の一助となりましたら幸いです。