Robocopy コマンドに /EFSRAW オプションを指定すると、暗号化されていないファイルがコピーされない不具合について

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本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポートチームです。
本日は、Robocopy のコマンドライン引数に /EFSRAW を指定すると、暗号化されていないファイルがコピーされない不具合についてご紹介させていただきます。

概要

Windows 10 version 1809 および Windows Server 2019 以降の Windows 製品(Windows 11 も含みます)において、Robocopy のコマンド引数に /EFSRAW オプションを指定してコピーを行うと、暗号化されていないファイルのコピーが失敗します。(暗号化されているファイルのコピーは成功します。)

本事象の発生条件としては以下の 3 つとなります。

・コピー対象のファイルが暗号化されていない
・EFSRAW オプションを指定している
・再起動可能モード(/Z or /ZB)を指定している、または、バックアップモード(/B)を指定していない

 ---- コピーオプションの説明抜粋 ----
/Z :: 再起動可能モードでファイルをコピーします。 /B :: バックアップ モードでファイルをコピーします。 /ZB :: 再起動可能モードを使用します。アクセスが拒否された場合、バックアップ モードを使用します。 /EFSRAW :: 暗号化されたすべてのファイルを EFS RAW モードでコピーします。

本来であれば /EFSRAW を指定した場合、暗号化されたファイルと暗号化されていないファイルのどちらもコピーされることが想定された動作ですが、Windows 10 version 1809 において行われたコード変更の影響により、上述の事象が発生しています。

回避策

Robocopy のコマンドライン引数に /Z, /ZB を指定せず、/B を指定することにより本不具合を回避頂くことが可能です。

参考情報

Robocopy は、ファイルやフォルダーのコピーを行う際に利用頂ける Windows のコマンドラインツールです。コマンドの使い方やオプションの説明は以下の URL をご参照下さい。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/windows-commands/robocopy