機能アップデート時の多言語対応について

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポート チームの浅野です。

Windows の機能アップデート (1909 から 20H2, 21H2 のバージョンアップなど) 実施後、OS のインストール言語以外の追加した言語パックが無くなる、日本語 IME の入力が行えなくなるといったお問い合わせをいただくことがございます。

本記事では、Windows における機能アップデート時の言語対応についてご紹介いたします。

機能アップデート後、追加言語が利用できなくなる原因

Windows 10 の言語パックや、入力機能などの言語のオプション機能につきましては、Windows 10 のバージョンごとに個別のパッケージとして提供されております。

追加言語の機能は機能更新プログラムや、OS イメージに含まれておらず、動的更新 (Dymamic Update) が有効になっている場合のみ、機能アップグレード中にWindows Update より言語リストに含まれる言語パックやオンデマンド機能 (Features On Demand : FOD) のダウンロードを実施します。

動的更新が無効の場合や、プロキシやファイアウォールにて弊社 Windows Update のエンドポイントへの接続が禁止されている環境においては、アップグレード完了後に OS が Windows Update から新しいバージョンの Windows の言語パックや FOD の再取得を行う動作がございますが、デバイスがオフラインの場合や WSUS や MECM を利用する関係で弊社 Windows Update の接続エンドポイントにアクセスを禁止した環境である場合には言語パック、FOD のパッケージが収録された ISO ファイルからインストールを手動で開始する必要がございます。

機能アップデート時の言語対応

複数の言語がインストールされた環境の機能アップデートにつきましては、ご利用の環境に応じて、下記の対応をご実施ください。

動的更新 (Dynamic Update)

上述の原因に記載の通り、動的更新が有効の場合のみ言語機能の追加を実施いたします。
動的更新時は、言語機能だけでなく、最新の品質更新プログラムの適用なども自動で実施するため、最もリスクが少なく安全に機能アップデートを実施いただけることから弊社サポートでも動的更新の有効化を推奨しております。

動的更新は、既定で有効な機能でございますが、プロキシやファイアウォールなどで必要なエンドポイントへの接続がブロックされている事例もございます。
詳細は下記の Windows Blogs に記載しておりますため、ご一読いただけますと幸いでございます。

Windows 10 の動的更新のメリット

インストール メディア利用時のオプション

インストール メディアを利用して、オフラインでの機能アップデートを実施いただく場合には、setup.exe コマンドラインにて “/InstallLangPacks” オプションを付加いただき、必要な言語パック、言語機能の cab ファイルを配置いただくことで、配置した言語パック、言語機能のインストールを実施いただくことが可能でございます。

Windows セットアップ コマンド ライン オプション

機能アップデート後の言語追加対応

機能アップデート中の言語対応が実施できない場合には、機能アップデート完了後に改めて言語パッケージのインストールが必要となります。
下記のような対処方法をご検討ください。

WSUS / MECM の利用時に、言語追加を可能とするグループ ポリシー

下記のポリシーを設定いただくことで、機能アップデート後に、言語リストに追加された言語に必要なパッケージの再追加を実施可能です。
本ポリシーは、機能アップデート時以外の言語の追加時や、オプション機能の追加をいただく際も必要なポリシーとなります。設定いただくことで運用負荷の軽減をいただけるものと存じます。

[コンピューターの構成] - [ポリシー] - [管理用テンプレート] - [システム]

“オプション コンポーネントのインストールおよびコンポーネントの修復のための設定を指定する”

→ 有効に設定します。

” Windows Server Update Services (WSUS) の代わりに、Windows Update から修復コンテンツとオプションの機能を直接ダウンロードする”

→ チェックを入れます。

なお、下記の関連ポリシーが設定されている場合は、Windows Update への接続がブロックされるため、上記ポリシーが機能いたしません。
“未構成” または “無効” に設定いただく必要があります。

[コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [Windows コンポーネント] - [Windows Update]

“インターネット上の Windows Update に接続しない”

[コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [システム] - [インターネット通信の管理] - [インターネット通信の設定]

“Windows Update のすべての機能へのアクセスをオフにする”

オフラインでの言語対応

弊社ボリューム ライセンスをご契約のお客様につきましては、言語パックや、オプション機能のオフラインファイルを用いて、オフラインでの言語対応を実施いただくことが可能でございます。
下記のブログにて、オフラインでの言語対応についてご案内しておりますため、ご確認ください。

Windows 10 における多言語対応

なお、Windows 11 や Windows 10 Version 2004 以降では、より言語リソースが細分化していることを確認しており、オフラインでの言語対応は手順が複雑化しております。
動的更新や、グループ ポリシーを設定いただく、オンラインでの言語対応を推奨いたします。

Windows 10 や Windows 11 では、OS 自体のフットプリント (容量) 削減等を目的とし、言語に依存するリソースの分離が一段と加速しております。
改めて簡単かつ確実な言語対応のために、動的更新やオンラインでのインストールをご検討ください。

関連情報

言語の概要

Language pack acquisition and retention for Windows 10 devices