リモート デスクトップ サービス環境で使用するポートについて

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポートチームの佐々木です。

今回は Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2016、Windows Server 2019、Windows Server 2022 における、リモート デスクトップ サービス (セッション ベースと仮想マシン ベース (VDI)) で使用するポートについてご紹介します。

最近では、セキュリティ対策の一環として、ファイアウォールにて通信に使用するポートを制限されている環境も多いのではないでしょうか。
リモート デスクトップ サービスをお使いいただいている場合、どのポートを制限すればいいのか、お悩みの方もいらっしゃるかと思います。

リモート デスクトップ サービスでは、クライアント PC から接続を行う際に、既定で 3389 のポートを使用します。
それ以外にも、リモート デスクトップ サービスは複数の役割サービスにより構成されており、各コンポーネント間でも様々な通信を行っています。また、その通信の目的によって使用されるポートが異なります。

以下に表形式で、コンポーネント毎に受信に使用するポートとその目的について記載しております。
ぜひリモート デスクトップ サービスの構成の際に、ご参考にしていただければと思います。

(※ 構築の前提条件といたしまして、対象サーバーが Active Directory に参加している環境としています。)

各役割サーバー間の通信で使用されるポート

各役割サーバー間の通信は、その目的によって使用するポートが異なります。役割ごとの使用するポートの一覧は以下の通りです。

RD 接続ブローカー

発信

受信

サービス

ポート番号

目的

クライアント

RD 接続ブローカー

RDP

TCP|UDP : 3389 *1*2標準の RDP のポートです。

RD Web アクセス

RD 接続ブローカー

Windows RPC

TCP : 5504 RD Web アクセスが RD 接続ブローカーから情報を取得するために使用します。

RD セッション ホスト

RD 接続ブローカー

Windows RPC

TCP : 135 RD セッションホストが、どのコレクションに参加しているか確認をするため、RPC での接続を行います。

Windows RPC

TCP :49152 – 65535

(ランダム)

RPC 通信によりバインドされた一時ポートとして使用します。

RD 仮想化ホスト

RD 接続ブローカー

Windows RPC

TCP : 135 RD 仮想化ホスト環境にて、リモート デスクトップ サービスを構成する際に使用します。

Windows RPC

TCP :49152 – 65535(ランダム) RPC 通信によりバインドされた一時ポートとして使用します。

RD ゲートウェイ

RD 接続ブローカー

RDP

TCP|UDP : 3389 *1*2クライアントからの接続の際に使用します。

RD 接続ブローカー

WinRM

TCP : 5985

サーバー マネージャーや PowerShell 管理をするために使用します。

* 1 ホスト側にて、別のポート番号を設定することも可能です。
(Mac のリモート デスクトップ接続クライアントは、ポート 3389 のみをサポートします。)

* 2 リモート デスクトップ接続 (RemoteApp 含む) で、UDP : 3389 (受信側が RD ゲートウェイの場合はUDP : 3391)のポートが使用される通信につきましては、主に動画の再生など、画面処理が多く実施される場合となります。
既定では TCP と UDP の両方が有効になっており、接続品質やコンテンツの種類に応じて最適なトランスポートが自動選択されます。



RD Web アクセス

発信

受信

サービス

ポート番号

目的

クライアント

RD Web アクセス

HTTPS(SSL)

TCP : 443 クライアントから RD Web アクセスのサイトにアクセスするために使用します。

RD Web アクセス

WinRM

TCP : 5985 サーバー マネージャーや PowerShell 管理のために使用します。


RD セッション ホスト

発信

受信

サービス

ポート番号

目的

クライアント

RD セッション ホスト

RDP

TCP|UDP : 3389 *1*2標準の RDP のポートです。

RD 接続ブローカー

RD セッション ホスト

RDP

TCP : 3389 リモート デスクトップ サービスまたは RemoteApp アプリケーションの画面や操作の通信を行うために使用します。

RDP

TCP : 3389 リモート デスクトップ サービスまたは RemoteApp アプリケーションの画面や操作の通信を行うために使用します。

Windows RPC

TCP : 135 RD セッションホストの死活監視のために使用します。

Windows RPC

TCP :49152 – 65535

(ランダム)

RPC 通信によりバインドされた一時ポートとして使用します

SMB

TCP : 445 RemoteApp で公開するアプリケーションを指定する際に使用します。(RD接続ブローカー以外のサーバー マネージャーで管理する場合、発信はそのサーバーとなります。)

RD ゲートウェイ

RD セッション ホスト

RDP

TCP|UDP : 3389 *1*2RD ゲートウェイを経由したリモート接続を行う際に、リモート デスクトップ サービスまたは RemoteApp アプリケーションの画面や操作の通信を行うために使用します。

RD セッション ホスト

WinRM

TCP : 5985

サーバー マネージャーや Windows PowerShell 管理をするために使用します。

* 1 ホスト側にて、別のポート番号を設定することも可能です。
(Mac のリモート デスクトップ接続クライアントは、ポート 3389 のみをサポートします。)

* 2 リモート デスクトップ接続 (RemoteApp 含む) で、UDP : 3389 (受信側が RD ゲートウェイの場合はUDP : 3391)のポートが使用される通信につきましては、主に動画の再生など、画面処理が多く実施される場合となります。
既定では TCP と UDP の両方が有効になっており、接続品質やコンテンツの種類に応じて最適なトランスポートが自動選択されます。



RD 仮想化ホスト

発信

受信

アプリケーション プロトコル

ポート番号

目的

RD 接続ブローカー

RD 仮想化ホスト

SMB

TCP : 445 リモート デスクトップ仮想化ホスト エージェントを名前付きパイプ経由でリモート管理するために使用します。

Windows RPC

TCP : 135 リモート デスクトップ仮想化ホスト エージェントの管理のために使用されます。

Windows RPC

TCP :49152 – 65535

(ランダム)

RPC 通信によりバインドされた一時ポートとして使用します。

RD 仮想化ホスト

WinRM

TCP : 5985

サーバー マネージャーや Windows PowerShell 管理をするために使用します。



RD ライセンス

発信

受信

アプリケーション プロトコル

ポート番号

目的

RD セッション ホスト

/ RD 仮想化ホスト

RD ライセンス

Windows RPC

TCP : 135 クライアントの CAL の取得や、RD ライセンス診断のために RPC を使用します。

Windows RPC

TCP :49152 – 65535(ランダム) クライアントの CAL の取得や、RD ライセンス診断のために RPC を使用した際に、バインドされた一時ポートとして使用します

RD ライセンス

WinRM

TCP : 5985

サーバー マネージャーや PowerShell 管理のために使用します。

* RD ライセンス サーバーでは、主に RDS CAL の発行や、管理のために上記のポートを使用しています。



RD ゲートウェイ

発信

受信

アプリケーション プロトコル

ポート番号

目的

クライアント

RD ゲートウェイ

HTTPS(SSL)

TCP : 443 リモート デスクトップ サービス、または、RemoteApp アプリケーションの画面や操作の通信を行うために使用します。

RDP

UDP : 3391 *2*3リモート デスクトップ、または、RemoteApp アプリケーションの画面や操作の UDP 通信を行うために使用します。

RD ゲートウェイ

WinRM

TCP : 5985 サーバー マネージャーや PowerShell 管理のために使用します

* 2 リモート デスクトップ接続 (RemoteApp 含む) で、UDP : 3389 (受信側が RD ゲートウェイの場合はUDP :
3391)のポートが使用される通信につきましては、主に動画の再生など、画面処理が多く実施される場合となります。
既定では TCP と UDP の両方が有効になっており、接続品質やコンテンツの種類に応じて最適なトランスポートが自動選択されます。

* 3 必須ではありません。



ファイルサーバー (ユーザー プロファイル ディスクを使用される場合)

発信

受信

アプリケーション プロトコル

ポート番号

目的

RD 接続ブローカー

ファイル サーバー

Windows RPC

TCP :135 ユーザー プロファイル ディスクの設定時に "UVHD-template.vhdx" を作成するために使用します。また、初回ログオン時にログオンしたユーザーの VHD ファイルを作成するために使用します。

Windows RPC

TCP :49152 - 65535(ランダム)

NetBIOS

TCP|UDP :137 - 139

SMB

TCP : 445

RD セッション ホスト

ファイル サーバー

SMB

TCP : 445 既にプロファイルが作成されているユーザーがログオンし、VHD をマウント、ファイルの書き込み、アンマウントするために使用します。

仮想マシン

ファイル サーバー

SMB

TCP : 445 既にプロファイルが作成されているユーザーがログオンし、VHD をマウント、ファイルの書き込み、アンマウントするために使用します。


SQL Server

発信

受信

アプリケーション プロトコル

ポート番号

目的

RD 接続ブローカー

SQL Server (また、Azure SQL Database*)

TDS

TCP|UDP : 1433 RD 接続ブローカーのデータベース用に SQL Server (または、Azure SQL Database) を使用する場合に本ポートを使用します。

* Windows Server 2016 から使用できます。

また、各役割サーバーと Active Directory ドメイン コントローラー サーバー(DC)間の通信にも、サービスに応じたポートが必要です。
詳細は下記の弊社の公開情報をご参照ください。
ドメイン環境で使用されるポートについて