Windows Update の “更新履歴の表示” が示す内容について

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※本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

※この記事は過去に作成され、公開された記事を再編したものです。

こんにちは。日本マイクロソフトです。

WSUS クライアント / Windows Update に関するトラブルシュートの際に、「%windir%\SoftwareDistribution」フォルダをリネームするという、Windows Update のキャッシュ削除の対処をご案内する事が多くございます。

ところがこれを実施すると、Windows Update の「更新履歴の表示」の情報が消去される、という副作用があり、この点についてご懸念を伺うことがあります。

本日は、そのご懸念に対する回答についてご案内いたします。

回答:

更新履歴の表示」は、更新プログラムの適用有無を判断する材料としては使うことができない情報であり、また今後の更新プログラムの適用動作には一切影響しないことから、削除しても差し支えありません

説明回答解説:

更新履歴の表示」が示す情報は「WSUS ( またはWindows Update ) クライアントが、更新の適用を試みたという事実、およびその結果」のみです。

Windows Update を利用しない、ユーザー様が明示的に適用した更新プログラムについては( OS にもよりますが ) この履歴では確認ができません。

また履歴上「更新プログラム A をインストールした」とされていても、その後、手動で A をアンインストールしてしまうと、更新履歴からはそのことが判別できません。

このように、更新プログラムの真の適用状況 / システム内の脆弱性の有無を判断するための情報源としては機能しない内容となっています。

では、そのような適用プログラムの要否や脆弱性の有無のチェックは、Windows Update はどうやって行っているかですが、これは履歴情報を参照するのではなく、その時点のシステムの状態 (ファイル バージョン等) をそのつど確認して判定しています。

チェックの結果は、WSUS サーバーに、各クライアントの状態レポートとして格納されていますので、通常はそれを管理情報としてお使いいただけばよいという考え方となっています。

なお「%windir%\SoftwareDistribution」フォルダ自体が、OS のバックアップやスナップショットの対象からも除外されておりますので、システムのリストアを行うとやはりこの情報は消去されます。

この観点からも、更新プログラムの真の適用状況 / システム内の脆弱性の有無を判断するための情報源としては機能しない内容とご理解頂ければと存じます。