本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポートチームの岩永です。
今回は PowerShell に関するお問い合わせの留意事項をご説明いたします。
はじめに
弊社の有償サポート サービスへ、Windows PowerShell ならびに、オープンソース プロジェクトより提供する PowerShell に関するお問い合わせいただく際、留意点について事前にご確認いただくことでよりスムーズなサポートが可能となります。
独自スクリプトと標準コマンドレットのお問い合わせ
弊社の有償サポート サービスでは、Windows が標準で提供しているスクリプトやコマンドレットに関するお問い合わせは承っております。
一方で、お客様が独自に作成されたスクリプトにつきましては、お問い合わせを承ることができません。また、スクリプトの機能要件や問題などをご提示いただいたとしてもスクリプトの作成や改修なども対応が出来かねますのでご了承ください。
そのため、お客様が作成されたスクリプトに関するトラブルシューティングは、お客様ご自身での対応をお願いしております。
ただし、トラブルシューティングの結果、特定のコマンドレットに問題が絞り込まれた場合には、そのコマンドレットに関するお問い合わせを承っております。
その際は、以下のような情報をご提供ください。
- 対象コマンドレット
- コマンドレットの引数
- 実行結果やエラーの詳細
- 想定されている動作・結果
なお、Windows OS に既定で含まれないコマンドレットについては、提供元にお問い合わせいただくようお願いしております。
また、以下のようなスクリプトについても、提供元へのお問い合わせをご案内しております。
- 他社様が提供されたスクリプト
- PowerShell Gallery に掲載されているスクリプト
- Microsoft Community やその他のサイトに投稿されたスクリプト
Web リクエストを伴うコマンドレットに関するお問合せ
Invoke-RestMethod や Invoke-WebRequest などの Web リクエストを伴うコマンドレットに対し、各パラメーターに関する利用用途などのお問い合わせは承っております。
ただし、これらのコマンドレットの実行結果は、通信環境や送信先 (エンドポイント) の動作に大きく依存します。そのため、コマンドレットが適切に処理を行っても、Web サーバー側の応答によっては期待通りに動作しない場合があり、コマンドレットの調査では原因追及ができません。
このような理由から、Web リクエストを伴うコマンドレットの実行結果に関しては、コマンドレット観点でのサポートは対応が難しいことご了承ください。
なお、Invoke-RestMethod や Invoke-WebRequest などの引数の内容がコマンドレットの仕様に沿っているかどうかのご支援は可能ですが、通信環境や送信先については以下を参考にご対応をお願いしておりますので、ご参考にください。
- 通信環境:お客様によるトラブルシューティング
- 送信先(エンドポイント):送信先の管理者または提供元へのお問い合わせ
Windows 非標準のコマンドレットに関するお問い合わせ
PowerShell は、コマンドレットを拡張することができ、Windows 以外の Microsoft 製品でもコマンドレットの拡張 (追加) を行っている製品がございます。
あくまでも一例でございますが、 Exchange Online や Azure 上のリソースを操作するモジュールなどは、コマンドレットの拡張 (追加) を行っております。
これらの製品が提供するコマンドレットについて、PowerShell に対するお問い合わせとして頂戴すると、迅速な対応が難しくなる場合がございます。
そのため、PowerShell ではなく、該当するコマンドレットを提供している製品をご指定のうえ、お問い合わせいただきますようお願いいたします。
また、Microsoft 製品として公開されているものの、オープンソース プロジェクト (OSS) にて提供されているものもございます。
OSS 提供のソフトウェアにつきましては、対象 OSS の開発リポジトリや、コミュニティ サイトへのご相談をお願いしております。
PowerShell 上の .NET Framework および Win32 API の動作に関するお問い合わせ
PowerShell は柔軟性が高く、.NET Framework や Win32 API を PowerShell からご利用いただけます。
基本的な利用方法では問題なく動作することが多いですが、PowerShell はいかなる条件下においても .NET Framework や Win32 API が完全に動作することを保証しているわけではございません。
複雑な利用方法では、条件や組み合わせにより、期待通りに動作しないことも考えられます。
このため、PowerShell 上での .NET Framework や Win32 API の動作に関しては、PowerShell のお問い合わせとしては承っておりませんのでご了承ください。
なお、 .NET Framework や Win32 API は、C#/VB#/C++/C といったプログラム言語からのご利用を目的として提供している機能になり、動作確認もこれらの言語で行っていただくことをお願いしております。
また、これらの言語で正常に動作しながらも、PowerShell 上で期待通りの動作とならない場合は、プログラミング言語のご利用をお願いしておりますことをご留意ください。
修正履歴
- 2025.11.06 本ブログを公開
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