本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポート チームの竹内です。
クライアント PC を Windows 11 とする、プリント サーバーの IP アドレスが指定されたポイント アンド プリントの環境において、共有プリンターの追加 および 共有プリンターからの印刷に時間がかかるとのご報告をいただいております。
本ブログでは、確認している事象および対応策についてお知らせいたします。
IP アドレス指定について
まず、ポイント アンド プリントを行う場合、以下のグループポリシーで信頼するプリントサーバーを IP アドレスではなく FQDN (完全修飾名) で登録する必要があります。
ご報告の事象には、このグループポリシーで指定した FQDN を使用して、ポイント アンド プリントを行うのが効果的です。
また、ホスト名であれば FQDN への変換は比較的 迅速に行えるためホスト名を使用しても遅延は発生しません。
・ ポイント アンド プリントの実装-許可されたサーバー
事象
クライアント PC を Windows 11 とする、プリント サーバーの IP アドレスが指定されたポイント アンド プリントの環境において、共有プリンターの追加や印刷に時間がかかる事象が発生しています。
原因
Windows 11 では、ポイント アンド プリントの通信(クライアント - サーバー通信)に、既定で RPC over TCP が使用されています。
また、RPC over TCP おいてプリントサーバーに対して、FQDN にて問い合わせが行われることがあります。
\ServerName\ShareName の形式の ServerName に、もし、IP アドレスが指定されていた場合、FQDN の問い合わせが IP アドレスで行われることとなります。
この FQDN の問い合わせには失敗し、その後のフォールバック処理が行われるため、結果として通信に時間を要してしまいます。
対応策
プリントサーバーには、FQDN もしくはホスト名を使用して、ポイント アンド プリントの環境を構成してください。
回避策
Windows 11 では、下記のポリシー設定にて RPC over Named Pipe (SMB) を有効にしていただくことが可能ですが、セキュリティの観点から推奨はしていません。
Windows 11 での印刷用の RPC 接続更新プログラム の “名前付きパイプでの RPC の使用” の項目で説明されている条件に沿っているかをご確認頂き、必要に応じてご利用ください。
本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時でのものであり、予告なく変更される場合があります。
更新履歴
2025/07/03 本 Blog の公開