Azure VM の日本語化

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

本記事では Azure VM の日本語化を行う際のベストプラクティスとして、Install-Language コマンドを使用した日本語化の手順と注意事項をご紹介します。

概要

Windows 10 Version 20H2 以降では言語パックの追加に Install-Language コマンドを利用可能となっています。本記事ではこのコマンドを利用した日本語化の一連の流れをご紹介します。
なお Install-Language コマンドについては以下の記事も併せてご覧ください。

言語パックの管理に便利な PowerShell コマンドレットのご紹介

対象 OS バージョン

本記事で対象とする OS バージョンは Install-Language コマンドを利用可能な OS バージョンとなり以下のとおりです。
Windows 10 については前提として 2022 年 8 月 26 日のプレビュー リリース更新プログラム以降の適用が必要です。

  • Windows 10 Version 22H2
  • Windows 11 Version 22H2 / 23H2
  • Windows 11 Version 24H2
  • Windows Server 2025

日本語化の流れ

  1. Azure VM をデプロイします。

    後述の補足のとおり、組織のポリシー設定やセキュリティ製品、ネットワーク構成などに由来して日本語化に必要なリソースの取得に失敗する場合がありますので、そのような構成を行う前の、デプロイ直後のタイミングで、以下の流れにて日本語化を行います。

  2. 言語パックなどのリソースをインストールします。

    Windows PowerShell (powershell.exe) を [管理者として実行] にて開きコマンドを実行します。

    Install-Language ja-jp

    コマンドの実行には時間を要しますので、プロンプトが戻ってくるまで待機し、以下のような表示となることを確認します。

  3. ユーザーの優先する言語のリストへ日本語を追加します。

    Settings アプリ > Time and language > Language (& region) > Add a language から、日本語を追加します。
    選択肢はすべて既定値で問題ありません。
    また追加後に、日本語 (Japanese) をリストの一番上へ移動します。


    コマンドの場合 コマンドの場合は管理者の PowerShell で以下のコマンドを実行します。
    このコマンドを実行した場合にはユーザーの表示言語も変更されるため、次の手順はスキップ可能です。
    Set-WinUserLanguageList ja,en-US -force
  4. ユーザーの表示言語を変更します。

    Settings アプリ > Time and language > Language (& region) > Windows display language にて、日本語を選択します。
    この時点でサインアウトする必要はありません。

  5. ハードウェア キーボード レイアウトを変更します。

    Settings アプリ > Time and language > Language (& region) を開きます。
    つぎに Japanese 右側の […] から Language options を開くか、または Japanese の [Options] ボタンを押します。
    (Hardware) Keyboard layout > [Change layout] > “Japanese keyboard (106/109 key)” を選択し [OK] にて設定します。
    この時点で再起動する必要はありません。

  6. 地域設定を変更します。

    Settings アプリ > Time and language > (Language &) region > Country or region にて、”Japan” を選択します。


    コマンドの場合 コマンドの場合は管理者の PowerShell で以下のコマンドを実行します。
    Set-WinHomeLocation -GeoId 0x7A
  7. タイムゾーン設定を変更します。

    Settings アプリ > Time and language > Date & time > Time zone にて、”(UTC+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo” を選択します。


    コマンドの場合 コマンドの場合は管理者の PowerShell で以下のコマンドを実行します。
    Set-TimeZone -Id "Tokyo Standard Time"
  8. システム アカウントと新しいユーザー アカウントに設定をコピーします。

    Settings アプリ > Time and language > Language (& region) > Administrative language settings を開きます。
    Administrative タブ > [Copy settings] を開きます。
    “Welcome screen and system accounts” と “New user accounts” にチェックを入れて [OK] にて設定します。
    この時点で再起動する必要はありません。


    コマンドの場合 コマンドの場合は管理者の PowerShell で以下のコマンドを実行します。
    Copy-UserInternationalSettingsToSystem -WelcomeScreen $True -NewUser $True
  9. システム ロケールを変更します。

    Settings アプリ > Time and language > Language (& region) > Administrative language settings を開きます。
    Administrative タブ > [Change system locale] を開き、”Japanese (Japan)” を設定します。
    ※ “Beta: Use Unicode UTF-8 for worldwide language support” にはチェックを入れないでください。


    コマンドの場合 コマンドの場合は管理者の PowerShell で以下のコマンドを実行します。
    Set-WinSystemLocale -SystemLocale ja-JP
  10. Windows OS を再起動します。

  11. Windows Update を行います。

  12. アプリを更新します。

    Microsoft Store アプリを開き、ダウンロードから [更新プログラムの確認] を行い、アプリをすべて更新します。

手順は以上です。

補足

  • 組織のポリシー設定やセキュリティ製品などの影響で、言語リソースのインストールが失敗する場合がありますので、本手順は Azure VM のデプロイ直後に行ってください。

  • ファイア ウォール製品や機能のご使用など、通信に関する制限が発生する可能性がある状況下では、同様に言語リソースのインストールが失敗する場合があります。失敗する場合にはインターネットへ直接接続可能なネットワーク構成にて再度お試しください。

  • Microsoft Store アプリの手順実施時、Microsoft Store アプリのバージョンが古く、アプリを開いた際にエラーが表示される場合があります。その場合にはログオン ユーザーとして Windows PowerShell (powershell.exe) を開き、以下のコマンド実行をお試しください。このコマンドではバックグラウンドでの Microsoft Store アプリ更新を行いますので、コマンド実行後に時間経過により状況が改善する場合があります。

    [Windows.ApplicationModel.Store.Preview.InstallControl.AppInstallManager,InstallService.dll,ContentType=WindowsRuntime]
    (new-object Windows.ApplicationModel.Store.Preview.InstallControl.AppInstallManager).SearchForUpdatesAsync(“9WZDNCRFJBMP”, “0010”)

  • ハードウェア キーボード レイアウトの変更については設定可能なコマンドのご用意がなく、手順に記載のとおり GUI での設定が必要です。

いかがでしたでしょうか。本記事の情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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更新履歴
2025/06/30 本 Blog の公開