本記事では、RemoteApp における IME の動作と IME の同期について問題が発生した際に有用である可能性がある回避策についてご案内いたします。
RemoteApp の IME について
RemoteApp において接続先の IME が使用されます。
既定では接続元の IME に同期される Seamless Language Bar と呼ばれる機能が動作しています。
このため、既定の設定のまま使用された場合、エンドユーザーは接続先の IME を使用していることを意識せずに、接続先の IME を利用することができます。
しかしながら、IME の設定の同期が何らかの問題でうまくいかない場合があります (*)。
この時、接続先の IME ツールバーを表示させて使用することで回避できることがありますので、以下に設定方法をご案内いたします。
設定方法
接続先の IME ツールバーを表示、使用するには、RDP ファイルに以下の RDP プロパティを追加する必要があります。
DisableSeamlessLanguagebar:i:1
この設定は AVD (Azure Virtual Desktop) の RemoteApp につきましては
Azure Portal - Azure Virtual Desktop - ホスト プール - 任意のホスト プール - RDP プロパティ から追加することが可能です。
しかしながら、オンプレミスなどで使用される Remote Desktop Service において
RDP プロパティに追加するための Set-RDSessionCollectionConfiguration コマンドレットが現時点では対応しておりません。
このため、RDWeb や WebFeed では “DisableSeamlessLanguagebar:i:1” を追加するこの対応はできかねます。
オンプレミスなどで使用される Remote Desktop Service において IME の問題が発生している場合、
大変恐縮ですが、現状では上記設定を追加した RDP ファイルをグループポリシーなどで配布していただき、エンドユーザー様にご利用いただくことをご検討ください。
Set-RDSessionCollectionConfiguration の実装に変化がありましたらこちらの記事を更新させていただきます。
(*) RemoteApp の IME に関する問題の例。
- 接続元のタスク トレイ アイコン上で右クリックによる入力切替不可。
接続元のタスク トレイ アイコン上で IME を右クリックして 「ひらがな」 「全角カタカナ」 「全角英数字」 「半角カタカナ」 「半角英数字/直接入力」 を選択しても変更が反映されない問題が報告されております。
なお、この環境下でも、タスク トレイ アイコン上で IME を左クリックし半角/全角を変更した場合や、キーボードによる IME の変更 (半角/全角キー、無変換キー) の場合は問題なく設定を変更することが可能であることを確認しておりますので、 “DisableSeamlessLanguagebar:i:1” の回避策のほかに運用上の回避もご検討ください。