Hyper-V ホストの CPU 脆弱性対応の機能が異なるサーバー間でライブマイグレーションが失敗する可能性について

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本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポートチームです。
今回は CPU の脆弱性対応の機能が異なるサーバー間にてライブマイグレーションが失敗する事象についてお伝えさせていただきます。

事象


CPU の脆弱性対応の機能が異なるサーバー間にてライブマイグレーションを実行した場合、仮想マシンの ” プロセッサ互換モード” にチェックが入っている場合でも、 以下のようなメッセージとともに、ライブマイグレーションが失敗することがございます。

・仮想マシン ‘XXX’ は、物理コンピューター ‘YYY’ でサポートされていないプロセッサ固有の機能を使用しています。
・VM の互換性チェックが宛先ホストで失敗しました: 正しくない機能。(0x00000001)
・不明なエラー (0x80048054)

原因


仮想マシンが「コールドブート」(電源オフの状態から起動) する際には、ホスト マシンの 物理ハードウェアより機能を VM へ継承します。 VM を別の Hyper-V ホストへライブマイグレーションするためには、 VM が利用している機能を維持する必要があるため、移行先となるホスト マシンにも同じ CPU の脆弱性対応の機能の提供が要求されます。 その際に、移行先のホストにて対応していない機能が確認できると、互換性が無いと判定されライブマイグレーションが失敗いたします。

Hyper-V ホストが提供する機能の一覧は Get-SpeculationControlSettings コマンドレット にて確認することができ、Get-SpeculationControlSettings コマンドレットの結果差異がある場合には、” プロセッサ互換モード” にチェックが入っている場合にも、サーバー間の CPU の脆弱性対応の機能の差異によってライブマイグレーションに失敗することがございます。

関連公開情報 : KB4074629: SpeculationControl PowerShell スクリプト出力について
https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/kb4074629-speculationcontrol-powershell-%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%88%E5%87%BA%E5%8A%9B%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-fd70a80a-a63f-e539-cda5-5be4c9e67c04

対策


残念ながら、異なるハードウェア構成のライブマイグレーションについては "プロセッサ互換モード" を有効にしても成功するとは限りません。 Get-SpeculationControlSettings コマンドレットに差異がある場合には、設定を統一することで成功する可能性はございます。

ハードウェア側の設定となりますため、ハードウェア製品のサポート ベンダー様へご確認をお願いいたします。

ただし、Get-SpeculationControlSettings コマンドレットが同じ場合でも、それ以外の機能で失敗する場合もございます。
その場合は、クイック マイグレーションや仮想マシンを停止した状態での移行をご検討いただければと存じます。

いかがでしたでしょうか。本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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