AVD ARM 日本語化イメージ作成手順について - Windows 11

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows Commercial Support User Experience チームの 矢野 です。

今回は、AVD(Azure Virtual Desktop)を展開する際に必要となるイメージをギャラリーからではなく、
日本語化した Managed Image から展開する方法についてご案内させていただきます。

AVD をギャラリーから作成する場合、英語版のイメージしか 2024 年 8 月現在は用意されていません。
そのため本投稿では、日本語版イメージを作成する手順についてご案内させていただきます。

※英語版 OS に日本語言語リソースを追加するだけでは、日本語版 OS と完全には同じになりません。
また、日本語言語リソースを追加した場合でも OS の言語設定自体も英語のままとなっております。
これはインターネット接続ができない事により端末に Local Experience Pack (LXP) がインストールされていない場合に発生いたします。
Local Experience Pack (LXP) は日本語言語リソースを追加したのちインターネット接続可能な環境であれば、自動でインストールされます。
過去にこのブログで案内した方法では Store for Business より取得した Local Experience Pack (LXP) を使用しておりましたが、
Store for Business がリタイアしたことから、インターネット接続による Local Experience Pack (LXP) の自動取得による手順に変更しております。

対照的にオンプレミス環境の ISO イメージからは、完全な日本語版 ISO イメージは作成できますが、マルチセッションは対応できません。
今回は、マルチセッション対応で Pooled (共有型)の環境で利用される Windows 11 Enterprise for Virtual Desktop (略称 EVD)版の日本語版イメージ作成の方法についてご案内いたします。

※: Windows 11 Enterprise for Virtual Desktop (略称 EVD)は別名 Windows 11 Enterprise Multisession (略称 EMS)とも呼ばれます。
※: Personal(占有型)のAVD構築の際は Windows 11 (シングルセッション)のイメージを使用してください。

関連記事:
https://docs.microsoft.com/en-us/fslogix/configure-cloud-cache-tutorial#configure-cloud-cache-for-smb

手順について

//事前準備

※過去に本ブログで公開された手順では、Store for Business より取得した Local Experience Pack (LXP) を利用していましたが、
Store for Business が 2024 年 8月 に正式にリタイアしており、かつ Windows 11 向け言語パックの ISO に日本語の LXP が含まれていないため、
上記のオフラインパッケージの取得ができず、現在はインターネット接続による従来の LXP の自動取得が必要となります。

関連記事:
https://jpwinsup.github.io/blog/2020/10/19/UserInterfaceAndApps/MicrosoftStore/DownloadOfflinePackage/

  1. Azure Portal から Marketplace を開きます。
    「Windows multi-session + Microsoft 365 Apps」と検索窓に入力し、Auto-Complete で表示されるアイテムを選択します。

  2. プランを選択し、仮想マシンを作成します。
    「Windows multi-session + Microsoft 365 Apps」を選びます。

  3. 日本語 パック をインストールします。

    PowerShell を管理者権限で起動し、下記のコマンドレットを実行します。

    1
    Install-Language ja-jp 

    言語パックや言語のオプション機能のインストールが開始されるため、しばらく待ちます。

下記の表示となり、インストールが完了したことを確認します。

続いて、下記のコマンドを入力し、作業用ユーザーの言語リストに日本語を追加します。

1
Set-WinUserLanguageList ja,en-US -force 

 

  1. 日本語 キーボードを設定します。
    インストールされた日本語 パックの「Language options」を押します。

    キーボード レイアウト から「Change layout」を押します。
    キーボードを 「Japanese keyboard 106/109 key」に変更をし、再起動します。

  2. Windows Update を適用します。

    [設定] > [Windows Update] > [ダウンロード可能な更新プログラム] で最新の状態となるまで更新を適用します。
    再起動が求められた場合は、再起動します。

言語パックインストール時のご留意点につきましては、
下記弊社 Windows サポート チームのブログ記事もご参照くださいますと幸いです。

言語パックインストール時のご留意点
https://jpwinsup.github.io/blog/2022/06/22/UserInterfaceAndApps/LanguageSupport_IME/lp-consideration/

  1. タイムゾーンを変更します。

    [設定] > [時刻と言語] > [日付と時刻] を開き、[タイムゾーン] で [(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京] を選択します。

  2. すべてのユーザーで日本語表示されるように設定します。

PowerShell を管理者権限で起動し、下記のコマンドレットを実行します。

1
Copy-UserInternationalSettingsToSystem -WelcomeScreen $True -NewUser $True 
1
Set-WinSystemLocale -SystemLocale ja-JP

再起動を実施します。

  1. 管理者権限を使い、PowerShell にて以下のコマンドを実行します。

    1
    2
    Get-AppxPackage -AllUsers  Microsoft.OneDriveSync* | Remove-AppxPackage -AllUsers
    Get-AppxPackage -AllUsers Microsoft.LanguageExperiencePack* | Remove-AppxPackage -AllUsers

    ※ Get-AppxPackage -AllUsers Microsoft.OneDriveSync* | Remove-AppxPackage -AllUsers
    コマンドの実行は、M365 付きの VM 上でのみ必要な手順となります。

  2. sysprep コマンドを実行し、コンピューターを一般化します。
    以下のコマンドを管理者コマンド プロンプトで実行します。

    1
    2
    cd c:\windows\system32\sysprep
    Sysprep.exe

    下記オプションを選択し、OKをクリックします。

  3. Azure Portal へアクセスし、Azure コンピューティング ギャラリーを追加します。
    リソース作成から「Azure コンピューティング ギャラリー」を検索して、作成します。

  4. 新しいイメージ定義を追加します。
    Azure コンピューティング ギャラリーが作成できましたら、そのリソースに移動してImage definitionを作成します。

  5. 日本語化した VM へ移動します。
    Capture( キャプチャ )を選択します。

  6. イメージを作成します。
    ※以下の画像はイメージの名前です。
    この名前は AVD のホストプール作成時に Custom イメージを選択する際に使用します。

  7. AVD のホストプール作成を行う際、カスタムイメージから VM を作成します。

  8. AVD のホストプール展開時に、Image Source > Managed Imageを選択し、上記で作成したイメージをもとに VM を展開し、ホストプールを作成します。

※イメージ選択例

注意事項:

AVD では、すでにセッション ホストである仮想マシンを sysprep (一般化)してイメージを作成することはサポートしておりません。

そのため、イメージを作成される際は、弊社の Marketplace 上にある multi-session のイメージを基に Azure VM を作成いただき、その VM 上で sysprep して作成されたイメージを基にセッション ホストをデプロイすることをご案内させていただいております。

以上となります。