Windows Server 2022 でリストア後のバックアップが失敗する

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本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポートチームです。

今回は Windows Server 2022 上で Windows Server バックアップが失敗する事象と対処策についてご紹介します。

事象の内容

Windows Server 2022 にて Windows Server バックアップを使用してベアメタルバックアップを取得し、リストアをした後、再度バックアップを取得しようとすると(たとえ、バックアップの保存先に十分な空き領域が存在していた場合でも)「ディスク領域が不足している」旨のエラーが発生しバックアップを取得できない場合があります。

また、アプリケーションイベントには Backup 521 イベントが記録されます。

発生の理由

Windows Server バックアップでベアメタル リストアを行うと、回復パーティションにボリューム シャドウ コピーのファイルが残ってしまうために、ベアメタル リストアを行う前よりも、回復パーティションの空き領域が少なくなります。この為、再度、Windows Server バックアップでベアメタルのバックアップを行おうとすると、回復パーティションのシャドウ コピーの領域が確保できず、バックアップに失敗します。

2024/11/20 追記
この事象は、ベアメタル リストアが完了してシステムが起動してから 21 分以内に次のバックアップを取得しようとした場合にのみ発生します。シャドウ コピーのドライバーは対象ボリュームがオンラインになった後 21 分経過時点で使用されていないシャドウ コピーのファイルを自動的にクリーンアップしています。

対処方法

2024/11/20 編集
2 回目以降のバックアップを取得する際は、前回のリストアから 21 分以上の間をあけてから実施してください。

管理者としてコマンドプロンプトを実行し、一旦 reagentc /disable コマンドを実行した後に reagent /enable コマンドを実行します。

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C:\Users\Administrator> reagentc /disable
REAGENTC.EXE: 操作は成功しました。

C:\Users\Administrator> reagentc /enable
REAGENTC.EXE: 操作は成功しました。

reagentc /disable を実行すると、回復パーティションに存在する回復用イメージ(WinRE.wim)が削除されることで回復パーティションの空き容量を増やす効果があります。その後 reagent /enable を実行すると、新たにC: ドライブに回復用イメージが作成されます。その結果、元の回復パーティションには回復イメージが無く、ベアメタル バックアップの対象にも回復パーティションは含まれなくなりますので、2回目以降のバックアップも問題なく成功します。

reagentc コマンドの使い方については以下の記事をご参照下さい。

REAgentC のコマンド ライン オプション

更新履歴 - Update History

  • 2024/07/16 : 本 Blog の公開
  • 2024/11/20 : 発生条件と対処方法の更新