リモート デスクトップで通常使うプリンターが意図せず変わる事象について

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

こんにちは、Windows サポート チームの浅野です。
今回は Azure Virtual Desktop や、リモート デスクトップ サービスにて、通常使うプリンターに設定された共有プリンターが意図せず変更される事象について紹介します。

概要

マルチセッションの Azure Virtual Desktop や、リモート デスクトップ サービス (RDS) サーバーをご利用の環境において、共有プリンターを通常使うプリンターに設定している場合、Microsoft Print to PDF などの別のローカル プリンターへ通常使うプリンターが変更される場合があることを確認しています。

発生原因

マルチセッションの Azure Virtual Desktop や、リモート デスクトップ サービス (RDS) サーバーにおいては、ログオフやセッションの切断のタイミングで共有プリンターは一時的に削除されます。一時的に削除された共有プリンターは、ログオンやセッションの再接続のタイミングで再作成が行われます。
また、ログオンやセッションの再接続のタイミングでは、通常使うプリンターのチェックも行われます。共有プリンターの再作成と通常使うプリンターのチェックは、非同期に実行されます。この際、通常使うプリンターに設定していた共有プリンターの再作成が通常使うプリンターのチェックよりも遅かった場合、通常使うプリンターが存在しないと判断し、その時点で利用可能なプリンターの中から最初に見つかった利用可能なプリンターを通常使うプリンターに設定いたします。

回避策

以下にご案内を行うレジストリ値を設定いただくことで、通常使うプリンターのチェック (検証) を無効化し、ログオンやセッションの再接続の前に設定していたプリンターを通常使うプリンターとして利用することができます。

  1. 対象のユーザープロファイルのレジストリ値で設定します。

    • レジストリ値:
      • パス: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
      • 値の名前: MaintainDefaultPrinter
      • 値の種類: REG_DWORD
      • 値のデータ:
        • 0x00000001 (1): 通常使うプリンターが利用不可時の検証を実施しない
        • 0x00000000 (0): 現在の通常使うプリンターの動作 (既定値)
  2. グループ ポリシーにて配布する場合:

    1. グループ ポリシー管理エディターを開きます。
    2. 下記項目へ移動します:
      • [ユーザーの構成][基本設定][Windows の設定][レジストリ]
    3. [レジストリ] を右クリックし、[新規作成][レジストリ項目] をクリックします。
    4. 下記項目を入力し、[OK] をクリックします:
      • アクション: 更新
      • ハイブ: HKEY_CURRENT_USER
      • キーのパス: Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
      • 値の名前: MaintainDefaultPrinter
      • 値の種類: REG_DWORD
      • 値のデータ: 1

なお、本レジストリ値は、下記 OS の 2022 年 9 月 20 日リリース以降の品質更新プログラムが適用された環境にて設定が可能です。

  • Windows 11
  • Windows 10 Version 21H2, 22H2
  • Windows Server 2019
  • Windows Server 2022

更新プログラムが適用されていない環境では、最新の更新プログラムを適用の上、設定ください。

本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 ​

※ 本情報の内容 (リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

更新履歴
2024/05/30 本 Blog の公開