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こんにちは。Windows Commercial Support Directory Services チームです。
今回は、Active Directory の認証先を指定する方法をご案内します。Active Directory の認証先の指定方法は、Kerberos 認証と NTLM 認証で異なります。Kerberos 認証の場合はクライアントで設定し、NTLM 認証の場合はリソース サーバーで設定します。なお、何れも、認証先を恒久的に固定する方法ではありませんので、ご注意ください。
以下にそれぞれの指定方法をご案内いたします。
1. Kerberos 認証先の指定方法
Kerberos 認証先の指定手順:
クライアントにログオンし、コマンド プロンプトを管理者として実行します。
キャッシュされたドメイン コントローラーとのバインドを削除します。
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klist purge_bind
対象のドメイン コントローラーに対して、バインドを行います。
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klist add_bind <ドメイン名> <ドメイン コントローラー名>
複数のドメイン コントローラーを指定したい場合、上記コマンドを繰り返し実行します。
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4klist add_bind contoso.com DC1.contoso.com
klist add_bind contoso.com DC2.contoso.com
klist add_bind fabrikam.com DC3.fabrikam.com
klist add_bind fabrikam.com DC4.fabrikam.comローカルにキャッシュしている Kerberos チケットを削除します。
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klist purge
動作確認を行い、上記設定したドメイン コントローラーに対して Kerberos 認証を行っているか、確認します。
Kerberos 認証先の解除手順:
上記の認証先を解除して、通常のドメイン コントローラー選択方法で選択させる場合には、以下のコマンドを実行します。
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klist purge_bind
制限事項:
上記手順はドメイン コントローラーとのバインド キャッシュを更新する手順であり、恒久的に認証先ドメイン コントローラーを固定化する手順ではございません。
2. NTLM 認証先の指定方法
NTLM 認証先の指定手順:
クライアントからアクセスするリソース サーバーにログオンし、コマンド プロンプトを管理者として実行します。
NTLM 認証はセキュア チャネルが使用されるため、セキュア チャネル接続先を対象のドメイン コントローラーに切り替えます。
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nltest /sc_reset:<ドメイン名>\<対象のドメイン コントローラー ホスト名>
対象のドメイン コントローラーに指定されていることを確認します。
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nltest /sc_query:<ドメイン名>
NTLM 認証先の解除手順:
上記の認証先を解除して、通常のドメイン コントローラー選択方法で選択させる場合には、以下のコマンドを実行します。
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nltest /sc_reset:<ドメイン名>
制限事項:
上記手順は恒久的に認証先ドメイン コントローラーを固定化する手順ではございません。
本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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