Windows マルチセッション OS における Windows Search のインデックスについて

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本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。

いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
日本マイクロソフト Windows サポートチームです。

Windows OS では高速な検索を提供するため、Windows Search の機能が用意されております。
Windows Search は検索のためのインデックスのデータベースを作成いたしますが、通常の Windows OS と、Azure Virtual Desktop (AVD) などで利用される複数ユーザーがログオン可能な Windows マルチセッション OS は、この検索インデックスの仕様に差異がございます。
本記事では、AVD 環境を管理されている IT 管理者様などに向け、マルチセッション OS における Windows Search の制限事項、留意点について、ご紹介させていただきます。

対象 OS

  • Windows 10 Enterprise multi-session
  • Windows 11 Enterprise multi-session

インデックス データベースについて

Windows OS では、ファイルやメールなどの検索を高速に実行するために、Windows Search の機能が用意されております。
Windows Search サービスが有効化されている場合には、同サービスがインデックスのデータベースを作成いたします。

通常の Windows OS におきましては端末単位でインデックスのデータベースを作成しますが、複数ユーザーがログオン可能なマルチセッション OS におきましては、既定でユーザーごとにインデックスのデータベースを作成します。

具体的には、以下のパス配下にインデックス データベースのファイルが格納されております。

  • Windows OS : C:\ProgramData\Microsoft\Search
  • Windows マルチセッション OS : C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Search

OS は端末のリソースに余裕があるタイミングで、インデックス対象となるファイルやメールなどのアイテムのインデックスを作成します。
そのため、インデックスの対象の量によっては、全ての対象のインデックスを作成するのに時間を要することが想定されます。

上述しておりますように、Windows マルチセッション OS におきましては、ユーザー プロファイル配下にインデックスのデータベースを作成します。
FSLogix などのユーザーがログオンするホストが固定されない環境におきましては、インデックスのデータベースもローミングされるため、ログオンの度にインデックスのデータベースを作成し直す必要がないというメリットがございます。

一方で、ユーザー プロファイルのサイズの増加を懸念し、インデックスのデータベースの容量を削減したいというご要望をいただくことがございます。

[インデックスのオプション] の制限について

インデックスのデータベースに含む対象など、インデックスに関する設定は [コントール パネル] 配下の [インデックスのオプション] に用意されております。
しかしながら、Windows マルチセッション OS におきましては、[インデックスのオプション] から、インデックスを作成する対象を設定できないという制限がございます。

Windows マルチセッション OS におけるインデックスの対象を制限する方法

インデックスの対象を制限したい場合には、インデックスを作成する各アプリケーションの設定として制御する必要がございます。

一例として、Outlook はローカルのメールの検索を高速化するために Windows Search サービスを利用します。
下記のグループ ポリシーを有効化することで、Outlook のインデックスの作成を抑止することが可能でございます。

  • [コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [Windows コンポーネント] - [検索]
    - [Microsoft Office Outlook のインデックス作成を禁止する]:有効

一方で、上記ポリシーを有効化した場合、メールの検索が遅くなること、また Outlook の [検索] タブの [絞り込み] の機能が利用できなくなるなど、Windows Search の機能が利用できないことによるデメリットも生じるため、お客様の要件に合った形で対応方針をご検討いただきたく存じます。

内容は以上となります。
いかがでしたでしょうか。本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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変更履歴

2024/2/29 : 本記事の公開