本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは。Windows Commercial Support Directory Services チームです。
ドメイン コントローラー上ではなく、メンバー コンピューターからドメインのオブジェクトを操作しようとする場合、[RSAT: Active Directory Domain Services およびライトウェイト ディレクトリ サービス ツール] のインストールが必要になります。
Windows 10 バージョン 1809 以降の場合、この RSAT のインストールにインターネット接続が必要になりました。
本ブログでは、[RSAT: Active Directory Domain Services およびライトウェイト ディレクトリ サービス ツール] のインストール方法と、インストールに失敗した場合の切り分け手順についてご紹介します。
RSAT のインストール手順
対象のコンピューターにローカルの管理者権限を持つユーザーでログオンします。
スタート メニューから [Windows の設定] を起動します。
[アプリ] をクリックします。
[アプリと機能] から [オプション機能] をクリックします。
[機能の追加] をクリックします。
[RSAT: Active Directory Domain Services およびライトウェイト ディレクトリ サービス ツール] を選択し、[インストール] をクリックします。
[ファイル名を指定して実行] から dsa.msc を実行し、[Active Directory ユーザーとコンピューター] が起動することを確認します。(インストールに時間が掛かる場合があるため、起動しない場合にはしばらく時間をおいてから再度お試しください。)
RSAT のインストールに失敗した場合の切り分け手順
しかしながら、インターネット接続があるにも関わらず、RSAT のインストールに失敗する場合がございます。
そのようなときは、以下の切り分けを実施すると、ある程度原因を特定できます。
- まずは PowerShell コマンドで RSAT のインストール状態を確認します。
1 | > Get-WindowsCapability -Online -Name "Rsat*" | select Name,State |
- 続いて、上記の確認結果の Name 項目に該当する名前を下記のコマンドで指定いただくことで、個別にインストールが可能となります。
なお、本コマンドはインターネットへ接続可能な状態で実施いただく必要があります。
1 | > Add-WindowsCapability -Online -Name "Rsat.ActiveDirectory.DS-LDS.Tools~~~~0.0.1.0" |
- インストールに成功すれば、先にご案内いたしましたコマンドにて、下記のように [RSAT:Active Directory Domain Services] がインストールされたことを確認いただけます。
1 | > Get-WindowsCapability -Online -Name "Rsat*" | select Name,State |
- 一方、RSAT のインストールに失敗した場合、2 の手順にて以下のようなエラーメッセージが表示されます。
こちらで表示されたエラー コードをもとに原因を推測し対応していきます。
1 | > Add-WindowsCapability -Online -Name "Rsat.ActiveDirectory.DS-LDS.Tools~~~~0.0.1.0" |
よくあるエラーコードについて
A. エラーコード “0x800f0954” が表示された場合
エラーコード “0x800f0954” は “WindowsUpdateSearch returns invalid number of updates from WSUS server.” を意味しており、WSUS サーバーに通信を行っていると考えられます。
もし、対象の Windowsクライアントが WSUS サーバーを利用している場合、以下の手順を実施し、直接インターネットから RSAT ツールをインストールできるように一時的にポリシーを変更していただければと存じます。
ローカル グループ ポリシーから変更する場合
- [ファイル名を指定して実行] から [gpedit.msc] と入力し、ローカル グループポリシー エディターを起動します。
- [コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [システム] - [オプションコンポーネントのインストールおよびコンポーネントの修復のための設定を指定する] を [有効] に設定し、”Windows Server Update Services (WSUS) の代わりに、Windows Update から修復コンテンツとオプション機能を直接ダウンロードする” にチェックを入れます。
- [適用]、[OK] を押下しポリシーを反映します。
- クライアント端末を再起動し、再び RSAT ツールのインストールを実行します。
DC 上のグループ ポリシーから変更する場合
- DC 上で [グループ ポリシーの管理] を開き、対象のコンピューターに適用しているグループ ポリシーを選択します。
- [コンピューターの構成] - [管理用テンプレート] - [システム] - [オプションコンポーネントのインストールおよびコンポーネントの修復のための設定を指定する] を [有効] に設定し、”Windows Server Update Services (WSUS) の代わりに、Windows Update から修復コンテンツとオプション機能を直接ダウンロードする” にチェックを入れます。
- [適用]、[OK] を押下しポリシーを反映します。
- クライアント端末を再起動し、再び RSAT ツールのインストールを実行します。
B. エラーコード “0x8024500c” が表示された場合
“0x8024500c” のエラーが表示された場合は、以下の手順を実施後、RSAT のインストールが可能かお試しいただければと存じます。
- [ファイル名を指定して実行] から [regedit] と入力し、レジストリー エディターを起動します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU\UseWUServer の値のデータを 1 から 0 に変更します。これにより、WSUS ではなく、Windows Updateを使用するようになります。
- [ファイル名を指定して実行] から [services.msc] と入力し、[サービス] の管理コンソールを起動します。
- [Windows Update] サービスを選択し、サービスの再起動を行います。
その他の RSAT のインストール方法
上記の対応で解消しない場合、RSATをオフラインでインストールすることも可能です。
具体的には、対象の環境がボリューム ライセンスにより提供されている場合には、Volume License Service Center (VLSC) あるいは Business Service Center (BSC) から Feature on Demand (FoD) の ISO メディアを入手いただくことで、オフライン インストールが可能です。
ISO ファイルが D ドライブにマウントされております場合、PowerShell を起動してから以下のようなコマンドを実行いたしますと、RSAT のすべての機能がインストール出来ます。
1 | Get-WindowsCapability -Online | where {$_.Name -like "*Rsat.ActiveDirectory.DS-LDS*"} | Add-WindowsCapability -Online -LimitAccess -Source D: |
ご参考
- Title: Add-WindowsCapability
- URL: https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/dism/add-windowscapability?view=win10-ps
本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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