本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポートチームです。
今回は Hyper-V 仮想マシンのチェックポイントが削除できない事象について紹介させていただきます。
事象
Hyper-V では仮想マシンを過去の状態に戻せるようにチェックポイントの機能を提供しています。
通常、チェックポイントは Hyper-V マネージャー上から削除できますが、まれに Hyper-V マネージャー上から削除できない場合があります。
原因
チェックポイントが “Recovery” のタイプで作成されている可能性があります。
チェックポイントのタイプに “Standard” と “Recovery” が存在しており、”Standard” は Hyper-V マネージャーからチェックポイントを
作成した場合のタイプになります。”Recovery” のタイプのチェックポイントは、主にバックアップソフトなどから仮想マシンのバックアップを行った場合に作成されます。
通常であれば、バックアップ処理が完了したあと、”Recovery” のタイプのチェックポイントは自動的に削除されます。しかし何かしらの影響によって削除されずに、この “Recovery” のタイプのチェックポイントが残ったままになる場合があります。弊社の事例ではウイルス対策ソフトの影響でこの事象が発生することが報告されています。そのため、もし、弊社が推奨しているウイルス対策ソフトの除外設定をされていない場合には以下に沿って設定を入れることをご検討ください。
Hyper-V ホストに推奨されるウイルス対策の除外
https://docs.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/windows-server/virtualization/antivirus-exclusions-for-hyper-v-hosts
対処策
“Recovery” のタイプのチェックポイントは Powershell コマンドから削除することが可能です。
以下に手順をご案内させていただきますので、こちらを実施することでチェックポイントが削除できるかご確認ください。
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コマンドによるチェックポイントの削除手順
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1.Powershell を管理者権限で起動します。
2.以下のコマンドにて対象仮想マシンが所有するチェックポイントを確認し、
削除したいチェック ポイントの名前 (Name) を確認します。
1 | Get-VMSnapshot -vmname "仮想マシン名" |
//TESTVM のチェック ポイントを確認する際の実行例
1 | Get-VMSnapshot -vmname "TESTVM" |
// 出力例
1 | VMName Name SnapshotType CreationTime ParentSnapshotName |
3.以下のコマンドにてチェック ポイントを削除します。
1 | Get-VMSnapshot -vmname "仮想マシン名" -Name "スナップショット名" | Remove-VMSnapshot |
// 実行例
1 | Get-VMSnapshot -vmname "TESTVM" -Name "TESTVM - バックアップ - (2020/11/01 - 8:30:48)" | Remove-VMSnapshot |
※ 本コマンドの実行に伴う、仮想マシンの停止や再起動等は必要ございません。
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もし、上記の手順でも削除できない場合には、チェックポイントに破損などが発生している可能性があります。この場合は仮想マシンの再作成での対応が必要になります。既存の vhdx ファイルから仮想マシンを作成する手順については以下を参照ください。
// 公開情報
既存の仮想ハードディスクを利用した仮想マシンの再作成について
https://jpwinsup.github.io/blog/2022/08/15/Hyper-V/ConfigurationAndManagement/ReCreateVM/
いかがでしたでしょうか。本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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