ソース:BROWSER、イベントID:8021のイベントログが記録される事象について

Last Update: feedback 共有

こんにちは、Windows プラットフォーム サポートです。

1. 事象

システム イベント ログに、以下のようにソース:BROWSER、イベントID:8021 の警告イベントログが記録されることがあります。

ログの名前:システム 
ソース:BROWSER
イベント ID:8021
タスクのカテゴリ:なし
レベル:警告

説明
ブラウザ サービスは、ブラウザ マスタ \\<サーバー名>
(ネットワーク\Device\NetBT_Tcpip_{XXXXXXXX})
からサーバー一覧を取得できませんでした。

ブラウザ マスタ: \\<サーバー名>
ネットワーク: \Device\NetBT_Tcpip_{XXXXXXXX}このイベントはネットワーク接続の一時的な損失により起こった可能性があります。
このメッセージが再び表示される場合は、サーバーがネットワークにまだ接続されていることを確認してください。
リターン コードはデータ テキスト ボックスにあります

バイナリ データ:
Word 形式
0000: 00000888   ★<<< エラー "00000888" は、"NERR_ServiceNotInstalled - The service has not been started.  " を意味します。

2. イベントID : 8021 が記録される原因

イベント ID : 8021 は、Browser サービスがマスター ブラウザーからブラウズ リストを取得できなかったことを示す警告イベントです。
マスター ブラウザーで、以下の tasklist /svc コマンド実行結果のように、Browser サービスと LanmanServer サービスが別の svchost.exe 上に分離している場合に、
そのマスター ブラウザーにブラウズ リストを要求すると、マスター ブラウザーからエラー 0x888 (NERR_ServiceNotInstalled) が返され、要求元のコンピューターでイベント ID : 8021 が記録されます。

// tasklist /svc コマンド実行結果例 (一部抜粋)
// Browser サービスとLanmanServer サービスが分離している。
イメージ名                     PID サービス
========================= ======== ============================================
svchost.exe                   1376 Appinfo,Browser, CertPropSvc, gpsvc,          ★<<< Browser サービス(PID: 1376)
                                   IKEEXT, iphlpsvc, lfsvc, ProfSvc, Schedule, 
                                   SENS, SessionEnv, ShellHWDetection, Themes, 
                                   UserManager, Winmgmt, WpnService, wuauserv 
svchost.exe                   2296 LanmanServer                                   ★<<< LanmanServer サービス(PID: 2296)

マスター ブラウザーとして正しくブラウズ リストの提供を行うためには、
Browser サービスと LanmanServer サービスが、同一の svchost.exe 上に存在する必要があります。

3. 対応策

マスター ブラウザーで、以下の手順で Browser サービスと LanmanServer サービスを一つの svchost.exe に同居させることでブラウズ リストの配信が可能となります。

(1) マスター ブラウザーのマシンにログオンし、レジストリ エディターを開きます。

(2) 以下のレジストリキーで ImagePath が “C:\Windows\System32\svchost.exe -k netsvcs” となっているか確認し、
“C:\Windows\System32\svchost.exe -k smbsvcs” に変更します。

// 変更前
キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Browser
名前 : ImagePath
設定値 : C:\Windows\System32\svchost.exe -k netsvcs

// 変更後
キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Browser
名前 : ImagePath
設定値 : C:\Windows\System32\svchost.exe -k smbsvcs

(3) OS を再起動します。

(4) tasklist /svc コマンドを実行して、以下のように Browser サービスと LanmanServer サービスが同一の svchost.exe 上に存在するか確認します。

// tasklist /svc コマンド実行結果例 (一部抜粋)
// Browser サービスとLanmanServer サービスが同一のsvchost 上に存在している。
イメージ名                     PID サービス
========================= ======== ============================================
svchost.exe                   1916 Browser, LanmanServer ★<<< Browser サービスと LanmanServer サービス(PID: 1916)

4. 対象 OS

・Windows Server 2016
・Windows Server 2019
・Windows Server 2022

Windows Server 2016 の場合、既定で “SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート” 機能がインストールされ、Browser サービスと LanmanServer サービスは同一の svchost.exe 上に存在しています。
しかし、”SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート” 機能をアンインストールした後に、再インストールすると Browser サービスと LanmanServer サービスが分離します。

Windows Server 2019 以降の場合、既定で “SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート” 機能はインストールされておらず、インストールすると Browser サービスと LanmanServer サービスが分離します。

5. 補足事項

3.5 GB 以上のメモリが搭載されている場合、svchost 上で動作するサービスが分離されるため、ImagePath のレジストリを変更するだけでは、一つの svchost.exe に Browser サービスと LanmanServer サービスが同居しません。
この動作は以下の SvcHostSplitThresholdInKB のレジストリにより制御できるため、3.5 GB 以上のメモリが搭載された環境では、設定値を 0xffffffff に変更後、 OS 再起動を実施ください。

// 変更前
キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
名前 : SvcHostSplitThresholdInKB
設定値 : 0x00380000

// 変更後
キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
名前 : SvcHostSplitThresholdInKB
設定値 : 0xffffffff

更新履歴

2021/11/30 : 本 Blog の公開
2024/09/02 : 補足事項を追記

[特記事項]
本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。