※本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
みなさん、こんにちわ。
Windows プラットフォーム サポート担当の鵜木です。
今回は、Windows Server 2022 において、システムに影響がない内容ではございますが、ログオン時に DCOM に関する警告のイベント ログが出力される事象が確認されたため、内容と原因、対応の要否、回避策について、イベント ログを監視していただいているご担当者様に向け、ご説明を記載させていただきます。
尚、本技術情報については、”条件” に記載の環境に合致する場合に適用していただける情報でございますため、ご了承くださいませ。
条件
Windows Server 2022 以降の OS において、任意のユーザーのログオン時に、下記の CLSID/APPID に関する DCOM の警告 Event ID 10016 が出力される環境
CLSID:21B896BF-008D-4D01-A27B-26061B960DD7
APPID:03E09F3B-DCE4-44FE-A9CF-82D050827E1C
内容
Windows Server 2022 において、任意のユーザーのログオン時に下記の通り、DCOM に関する警告 Event ID 10016 が SYSTEM のイベント ログに出力されます。
・SYSTEM
Event ID:10016
ソース:DistributedCOM
内容:
アプリケーション固有 のアクセス許可の設定では、CLSID
{21B896BF-008D-4D01-A27B-26061B960DD7}
および APPID
{03E09F3B-DCE4-44FE-A9CF-82D050827E1C}
の COM サーバー アプリケーションに対するローカル起動のアクセス許可を、アプリケーション コンテナー 利用不可 SID (利用不可) で実行中のアドレス LocalHost (LRPC 使用) のユーザー xxxxxxxx\xxxxxxxx SID (S-1-5-21-xxxxxxxxxx-xxxxxxxxxx-xxxxxxxxx-xxx) に与えることはできません。このセキュリティ アクセス許可は、コンポーネント サービス管理ツールを使って変更できます。
原因
任意のユーザーのログオン時に、Windows Audio サービス (AudioSrv) にアクセスする動作がございますが、この場合に Windows Audio サービスが起動されていないことが原因で出力されます。
尚、Windows Server 2022の既定の設定では、Windows Audio サービス (AudioSrv) のスタートアップの種類は、”手動” でございます。
対応の要否
Windows Server 2022 環境では Windows Audio サービスの起動は必須でないため、イベント ログの出力が不適切であり、将来バージョンの Windows OS にて修正が検討されている状況でございます。
ただし、システムに影響をあたるものではございませんので、本イベント ログについては静観していただくことが適切と考えております。
回避策
Windows Audio サービスを自動起動にしていただくことで、ユーザーがログオンするまでに当該サービスが起動するようになり、本事象を回避できます。
尚、Windows Audio サービスについては、Windows ベースのプログラムのオーディオを管理するサービスとなります。
本サービスを自動起動することにより、前述の機能が提供される以外の影響はございませんため、環境のご要件に応じて回避策の採用をご検討いただけますと幸いでございます。
備考
DCOM に関する警告である Event ID 10016 については、下記の公開情報も併せてご確認くださいませ。
参考:DCOM event ID 10016 is logged in Windows
(https://docs.microsoft.com/en-us/troubleshoot/windows-client/application-management/event-10016-logged-when-accessing-dcom)
内容は以上となります。
本技術情報がお客様の運用における参考情報になれば幸いでございますため、ぜひご活用くださいませ。