こんにちは。Windows Commercial Storage & High Availability チーム です。
今回は Windows Server Failover Cluster (WSFC) の Shared VHDX 構成において、
Event ID : 11 が記録される事象についてご紹介します。
Windows Server 2016 以降の ゲスト クラスター環境で Shared VHDX をご利用の際には、Disk リソースのフェールオーバー等が発生した際に Event ID:11 のエラーが多数記録される可能性がございます。これにより、例えば、監視サーバーがエラーを多数検知してしまう等の問題が発生する可能性がございますのでご注意ください。
そもそも仮想ハードディスクの共有 (Shared VHDX) とは?
「Shared VHDX」は、Hyper-V ゲスト の仮想マシンによるゲスト クラスター 構成において利用可能な機能で、
Shared VHDX により、各々のゲスト クラスター ノードから 一つの VHDX を共有して指定することが可能なため、クラスター共有ディスクとして使用可能です。
Shared VHDX の構成手順は以下の公開情報をご確認ください。
Deploy a Guest Cluster Using a Shared Virtual Hard Disk
Shared VHDX 構成において Event ID : 11 が記録される事象
事象
Windows Server 2016 、および、Windows Server 2019 のゲスト クラスター環境において、ゲストの Disk リソースの フェール オーバーや、新しいディスクの再スキャンの際に、以下の Event ID 11 が記録される場合がございます。
イベントログの種類:システム
イベントソース:disk
イベントID: 11
レベル:エラー
記述:ドライバーは \Device\Harddisk0\DR0 でコントローラー エラーを検出しました。
(※英語: The driver detected a controller error on \Device\Harddisk0\DR0.)
回避策
本事象は、イベントの記録上の問題であり、エラーイベントが記録されること以外の影響は報告されておらず、無視していただいても問題の無いイベントです。
監視サーバーを構成されている場合は、上記のイベントを監視対象から外していただくこと等をご検討くださいますようお願いいたします。
また、弊社推奨の VHD set をご利用いただくことで、ゲストの Disk のフェールオーバーが発生するようなシナリオでは、本イベントが表示されないことを確認しておりますため、VHD set への構成変更もご検討いただけますと幸いです。
VHD set の作成方法については以下の公開情報をご確認ください。
Create Hyper-V VHD Set files
参考
イベント ID 11 について関連情報がありますので、参考情報として以下に記載します。
稀に発生したなど、一時的なもので数が少ない場合には、自動的にOS側で修復やリトライなどで対処するため、基本的には無視してよいエラーです。
今回は、共有 Vhdx 利用時に Event ID:11 が記録される事象についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
※ 本情報の内容 (リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。