本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポートチームの佐々木です。
今回は、System イベント ログに ID 1074 として記録されるシャットダウン イベントのうち、弊社に多くお問い合わせをいただく RuntimeBroker.exe からのシャットダウン イベントについてご紹介をさせていただきます。
お使いの環境で RuntimeBroker.exe がシャットダウンを開始したと記録されたイベントを見たことはないでしょうか。
本イベントは RuntimeBroker.exe が能動的にシャットダウンを行ったように見えますが、RuntimeBroker.exe は他アプリケーションの指示に従いシャットダウンを実施しているため、シャットダウンが行われたタイミングでの動作を確認していただく必要がございます。
本記事をご参考いただき、イベントが記録された原因の把握や、対応方針の検討においてお役に立てば幸いです。
■ RuntimeBroker.exe によるシャットダウンイベントについて
RuntimeBroker.exe からのシャットダウンが実施された場合には、System イベント ログに、ID 1074 として以下のようなイベントが記録されます。
ログの名前 : システム
ソース : User 32
イベント ID : 1074
レベル : 情報
イベント メッセージ :
次の理由で、プロセス C:\Windows\System32\RuntimeBroker.exe (TESTCOMPUTER) は、ユーザー TESTCOMPUTER\TestUser の代わりに、コンピューター TESTCOMPUTER の 電源を切る を始めました: その他 (計画外)
理由コード: 0x0
シャットダウンの種類: 電源を切る
コメント:
RuntimeBroker.exe は、UWP アプリケーション (ストア アプリとも呼びます) から要求された処理を中継して実行するプロセスでございます。
UWP アプリケーションは、従来のデスクトップ アプリケーションとは異なり機能が制限されておりますため、 RuntimeBroker.exe を経由してシャットダウン等の処理を行っております。
そのため、上記のイベントは、UWP アプリケーションから RuntimeBroker.exe に対しシャットダウンの実施が要求された際に記録されます。
■ RuntimeBroker.exe からシャットダウンが実施される原因について
RuntimeBroker.exe によるシャットダウン イベントは、多くの場合、ユーザー操作により、スタートメニューからシャットダウンが実施された際に記録されたものとなります。
Windows 8.1、 Server 2012 R2 以前の OS では、スタート メニューは Explorer.exe によって制御されていたため、 Explorer.exe がユーザーの代わりにシャットダウンを実施したイベントが記録されておりました。
Windows 10, および Windows Server 2016 以降では、スタートメニューの機能を UWP アプリケーションである ShellExperienceHost.exe、 StartMenuExperienceHost.exe が制御しているため、スタートメニューからのシャットダウンを実施した際には、RuntimeBroker.exe が処理を中継し、シャットダウンの処理が実施され、ご紹介のイベントが記録されます。
そのため、本イベントが記録されていた場合には、ユーザー操作からのシャットダウンが行われていなかったかどうか、ご確認をいただければと存じます。
なお、スタートメニューからのシャットダウン操作が行われていなかった場合には、イベントが記録された際にシャットダウンを実施するようなアプリケーションが動作してなかったかどうか、ご確認をいただけますと幸いです。
本記事が皆様のお役にたてば幸いです。