こんにちは。Windows Commercial Storage & High Availability チーム です。
今回は Windows Failover Clustering Service (WSFC) の Storage Space Direct (S2D) の Switchless ネットワーク構成において、
ライブマイグレーション (LM) を利用する際の考慮事項についてについてご紹介します。
そもそも Switchless ネットワーク とは?
Switchless ネットワークは、スイッチを使用せずに、ノード間を直接ネットワークで相互接続する構成です。
各ノードを他のすべてのノードと直接接続する必要があります。
図. Switchless Network
// S2D の Network 基本要件
Storage Spaces Direct Hardware Requirements | Microsoft Docs
Switchless ネットワーク の考慮事項について
LM 用のネットワークを Switchless ネットワークでご利用いただく場合、
LM において以下を考慮する必要がございます。
- 優先順位が下位の LM ネットワークを使用する場合、優先度の上位のネットワークと比較して、当該ネットワーク間の LM に時間を要します。
- Switchless ネットワークを構成する場合、それぞれのネットワークを異なるサブネットで構成することを推奨します。
以下、具体例を挙げてご説明いたします。
> 構成例
- S2D 構成
- 3 ノード
上記構成の場合、フェールオーバー クラスター マネージャーの [ライブマイグレーションの設定] の優先度は下記のように表示されます。
- Cluster Network 1 (NODE A <-> NODE B)
- Cluster Network 2 (NODE A <-> NODE C)
- Cluster Network 3 (NODE B <-> NODE C)
図. ライブマイグレーション用ネットワークの優先度
この場合、[Cluster Network 3] の優先度が下位であるため、Node B <-> Node C 間において LM に時間を要することになります。
> 推奨構成
障害時やメンテナンスの際に仮想マシンの移動に時間を要するため、
Switch を使用したネットワークでマイグレーション用のネットワークを構成する事を推奨いたします。
よくあるお問い合わせ (FAQ)
Q. LM にどれぐらい時間を要するのか?
A. お客様のネットワーク環境や構成に依存するため、一概に申し上げることは出来ませんが、
以下の構成においては、優先度が下位の ネットワーク において、LM 完了まで 約 120 秒間 時間を要することを確認いたしました。
構成
- S2D 構成
- 4 ノード
- 各ノードで 2 本ずつ相互に接続
Q. LM 用 ネットワークの優先度確認方法は?
A. 以下の公開情報に記載の UI 画面から優先度をご確認ください。
Isolate traffic on the live migration network
今回は S2D の Switchless ネットワークをご利用いただく際のLMの考慮事項についてご紹介させていただきましたが、
いかがでしたでしょうか。
本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。