本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは。Azure Virtual Desktop サポートの佐々木です。
弊社では、Azure Virtual Desktop 接続において、意図しないタイムゾーンが設定される事象を確認しています。
この事象は Azure Virtual Desktop の Web クライアント側の不具合であり、現在、修正に向けた対応を進めております。
事象概要
以下のグループ ポリシーを “有効” に設定したセッションホストに Internet Explorer を利用して Web クライアント から AVD 接続すると意図しないタイムゾーン (Local) が設定される問題があります。
[コンピューターの構成]
[管理用テンプレート]
[Windows コンポーネント]
[リモート デスクトップ セッション ホスト]
[デイバイスとリソースのリダイレクト]“タイム ゾーン リダイレクトを許可する”
事象の発生条件
・”タイム ゾーン リダイレクトを許可する” が “有効” に設定されている
・Internet Explorer からの Web クライアントを利用した Azure Virtual Desktop 接続時
※ Microsoft Edge (Chromium) や、Google Chrome では、本事象は発生しません。(その他のブラウザーに関しては確認しておりません。)
事象再現シナリオ
- セッション ホスト側で "タイム ゾーン リダイレクトを許可する" を "有効" に設定します。
- Internet Explorer から 手順 1. で設定を有効にしたセッション ホストに Azure Virtual Desktop 接続します。
- PowerShell コンソールを起動して、Get-TimeZone コマンドレットを実行します。
- 手順 3. のコマンドレットの実行結果が、"Local" と表示されます。 (接続元のタイムゾーンの設定に関連せず必ず "Local" と表示されます。)
黄色:Internet Explorer からの Azure Virtual Desktop 接続時の実行結果
緑色:Microsoft Edge (Chromium) からの Azure Virtual Desktop 接続時の実行結果
※ 接続先のセッション ホストにて、事前に “タイム ゾーン リダイレクトを許可する” を “有効” に設定しています。
回避策
セッションホスト側にてタイムゾーンを設定し、”タイム ゾーン リダイレクトを許可する” を “未構成” または “無効” に設定することで本事象を回避いただくことができます。
現時点では、上記の方法以外の回避策は確認しておりません。
本事象の対策状況
弊社では本事象を Internet Explorer 実行環境でのみ発生するWeb クライアント側の不具合として認識しており、修正に向けた対策を継続しております。
具体的な修正時期につきましては、2021 年 1 月 13 日 時点では未定になります。今後の対策状況などにつきましては、本ブログにて更新いたします。
補足
2021 年 3 月 31 以降、Internet Explorer にて Azure Portal が利用できなくなります。
Web クライアントとしての利用に直接関係する情報ではございませんが、今後、これまで利用いただけていた Internet Explorer からの機能や、サービスがリタイヤしていく傾向にございますため、Web クライアントを含むブラウザーを利用した機能、サービスにつきましては、最新の Microsoft Edge での運用をご検討いただけますと幸いです。
Azure portal to end support for Internet Explorer 11 on March 31, 2021
https://azure.microsoft.com/en-us/updates/azure-portal-to-end-support-for-internet-explorer-11-on-march-31-2021/
更新履歴 - Update History
- 2021/01/13 : 本 Blog の公開