本記事はマイクロソフト社員によって公開されております。
こんにちは、Windows サポートチームの吉田です。
本記事では、Remote Desktop Service 環境で RD セッション ホスト サーバー再起動後に接続できなくなる事象についての原因と回避策をご紹介いたします。
発生する事象について
対象 OS : Windows Server 2012, Windows Server 2012 R2, Windows Server 2016, Windows Server 2019RD 接続ブローカーを利用した Remote Desktop Service 環境において、RD セッション ホスト サーバーを再起動後、コレクション指定してのリモート デスクトップ接続 (RemoteApp 接続含む) に失敗することがあります。
原因について
TermSrv (Remote Desktop Service) サービスが起動する際の初期化処理時に、利用可能な IP アドレスを呼び出す動作が内部で実行されますが、この際に正しいアドレスが列挙されない場合に事象が発生いたします。これは、TermSrv の仕様上の問題となり、TermSrv がシステムからの IP アドレスの一覧情報を取得する際の処理に考慮不足があり、処理中に他のサービスで利用される IP アドレスの情報が増えると正しい情報を得ることができなくなり、今回の事象が発生します。
対処策について
TermSrv (Remote Desktop Service) サービスを遅延起動としていただくことが対処策となります。これは、TermSrv (Remote Desktop Service) サービスの起動タイミングが遅れることで、他のサービスで利用される IP アドレスを取得する動作が行われなくためとなります。
遅延起動としても事象が発生する場合には、TermSrv (Remote Desktop Service) サービスを再起動することで、改めて正しい IP アドレスが取得されるため、事象が改善いたします。
本問題については、上記の回避策が有効であるため、現行の OS バージョンでの修正は計画されておりません。
次期 Server OS での修正が計画されております