Windows Server Backup でバックアップ先に RDX を利用する場合の注意事項

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※ 本記事は弊社の Technet から移行した記事です。
いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。日本マイクロソフトの Windows サポートチームです。

今回は Windows Server Backup でバックアップ先に RDX (Removable Disk Exchange System) を利用する場合の注意事項についてのお話です。

Windows Server Backup は Windows Server 2008 以降の OS に標準で提供されているバックアップ機能です。本機能にて、事前にシステム全体のバックアップを取得することで、サーバ障害時にシステム全体の復旧を行うことが可能になります。また、RDX とは HDD をフロッピーディスクのようにドライブから着脱可能にし、HDD を持ち運びできるようした装置になります。着脱が可能ですので、HDD 単位で世代管理や外部保管をしたいときに便利です。

RDX には以下の 2 つの動作モードがあります。

  • リムーバブル ディスク モード
    RDX をリムーバブルディスクとして扱うモードです。

  • 固定 ディスク モード
    RDX をローカルディスクとして扱うモードです。

固定ディスクモードでご利用いただいている環境においては問題はありませんが、リムーバブルディスクモードで運用いただいている場合には注意があります。それは以下のオペレーションを行った場合に、ベアメタル回復に失敗します。

RDX を利用したベアメタル回復の失敗条件

  1. リムーバブルディスクモードで RDX を動作させる
  2. RDX に共有フォルダを作成し、その共有フォルダに対して Windows Server Backup でバックアップを取得する
  3. ベアメタル回復を行うマシンに RDX を直接接続し、取得したバックアップイメージを認識させるため、バックアップイメージが格納されているフォルダを RDX のルート直下に配置する。
  4. ベアメタル回復を実行する

これはベアメタル回復時にボリュームラベルのチェック処理でエラーとなるためです。ボリュームラベルとはバックアップに利用したメディアを識別するために必要となる情報になります。
このボリュームラベル情報は通常、バックアップ取得先の種類として “ローカル ドライブ” にリムーバブルメディアを指定した場合、バックアップを実行するとメディアから取得します。
しかし、バックアップ取得先の種類として 条件 (2) の “リモート共有フォルダ” を指定した場合、バックアップを実行してもボリュームラベル情報をバックアップに保存しません。
さらに 条件 (3) のようにネットワーク経由ではなく、リムーバブルメディアから直接ベアメタル回復を行う場合、ボリュームラベル情報が必要になりますが、”リモート共有フォルダ” を指定したバックアップにはボリュームラベル情報が保存されていないため、ボリュームラベルのチェック処理でエラーとなり、ベアメタル回復が失敗します。

※ボリュームラベルはバックアップ時に取得され、カタログに保存されます。
カタログは、バックアップ対象となったボリュームやバックアップの保存場所などの情報を保持するファイルです。

本事象を回避いただく方法としましては、以下の 2 点があります。

a) ベアメタル回復を行う場合、ネットワーク経由で共有フォルダからリストアを行う。
b) RDX の動作モードを “リムーバブル ディスク モード” から “固定ディスク モード”へ変更する。

上記のいずれかを実行いただくことで、ボリュームラベルのチェック処理がベアメタル回復時にはされません。
ボリュームラベルのチェック処理はリムーバブルメディアから直接ベアメタル回復を実施するときのみであるためです。

本ブログが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。