※ 本記事は弊社の Technet から移行した記事です。
いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。日本マイクロソフトの Windows サポートチームです。
今回は、クォータを設定したボリュームのバックアップを Windows Server バックアップで取る際に警告がでる事象についてご説明させていただきます。
クォータ設定とは?
複数のユーザが共有するコンピュータにおいて、各ユーザが自由に利用できるハードディスクの容量の上限を設定することです。OS の機能として提供されており、ファイル サーバー リソース マネージャー(FSRM) という機能の中のひとつです。詳しくは以下のリンクをご参照ください。
ファイル サーバー リソース マネージャー(FSRM)の概要
発生事象
Windows Server バックアップを利用したバックアップで、クォータを設定したボリュームに対し、フォルダ指定や除外設定をしてバックアップを開始すると『バックアップを完了しましたが、警告が発生しました。』という警告が出る事象が発生します。
<Windows Server バックアップのログに記載されるエラー内容>
E:System Volume InformationSRMquota.md のバックアップで書込み操作中にエラーが発生しました: エラー [0x80070020] プロセスはファイルにアクセスできません。別のプロセスが使用中です。
※エラー内容は、以下の手順で確認することができます。
- ローカル バックアップ画面左下の『詳細を表示』をクリックします。
- 以下のような画面が表示されるので、左下の『失敗したすべてのファイルの一覧を表示する』をクリックします。
- メモ帳が立ち上がり、エラー内容が確認できます。
弊社で確認した環境
Windows Server 2012
発生条件
本事象が発生する条件は、以下の2パターンに限定されます。
<パターン1>
Windows Server バックアップで、クォータが設定されたボリューム内のファイルを指定してバックアップを取得する場合
<パターン2>
Windows Server バックアップで、クォータが設定されたボリューム内のファイルをバックアップ対象外に指定して、ボリュームのバックアップを取得する場合
※クォータを設定していても、サーバー全体をバックアップする場合や、ボリューム内のファイルをバックアップ対象から除外設定せずに丸ごとバックアップする場合は、この事象は発生しません。
結論
バックアップ時に警告が表示されますが、バックアップとして問題はございません。整合性のあるバックアップ データですので、リストアも可能です。クォータ設定にも影響はございませんので、ご安心ください。この警告を表示させないようにするためには、発生条件となるバックアップの取得方法を避けていただきますようお願いいたします。
参考)検証
<警告が発生する事象の再現手順>
- クォータを設定したボリュームに対し、フォルダ指定や除外設定をかけて Windows Server バックアップを開始します。
- ※今回は、ボリューム E にクォータを設定しています。
- ※バックアップは、ボリューム E の test_folder2 フォルダを除外してバックアップを取得します。
- 除外・選択するファイルやフォルダは任意です。
- バックアップ完了時、状態欄に、『バックアップを完了しましたが、警告が発生しました。』という警告がでます。
<リストアの手順>
- 発生した警告を無視し、バックアップデータをリストアします。完了すると以下のように表示されます。
- リストアが完了したボリュームを見ると、バックアップデータが正しく回復されていることが確認できます。
いかがでしたでしょうか。本ブログが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。