こんにちは。Windows プラットフォーム サポートの村井です。
昨今、 AVD をご利用いただいているユーザーに MSRD-Collect (旧 AVD-Collect) をご使用いただき、ユーザーの環境のログを取得いただくことが増えています。そこで、本ブログでは MSRD-Collect の役割とログの取得手順に関してご紹介いたします。本ブログでは、”MSRD-Collect” 内の AVD の情報採取に関する機能と AVD のログの取得手順の例をご案内いたします。
※1 AVD のログの取得手順のみを確認する場合は 4. をご確認ください。
※2 “AVD-Collect” と “RDS-Collect” は “MSRD-Collect” に 2022 年 8 月 に統一されました。
1. MSRD-Collect に関して
MSRD-Collectは、AVD で発生した問題に関するデータを PowerShell スクリプトで採取し、ユーザーの AVD 環境のデータを容易に共有いただくことが出来るツールとなっております。
下記リンクから常に最新バージョンの MSRD-Collect をダウンロードいただくことが可能となっております。
MSRD-Collect のダウンロード先 URL Link: https://aka.ms/msrd-collect
取得したデータは zip 形式でまとめられ C:\MSDATA に保存されるため、ユーザーがデータを確認し、トラブルシューティングで共有可能なデータの選別を行えます。また、 MSRD-Collect は発生頻度が高い既知の問題に対して、診断を実施する機能も備わっております。 新しい診断項目が適時ツールに追加されますため、ご使用いただく前に MSRD-Collect をダウンロードいただき最新バージョンをご利用ください。
2. MSRD-Collect を使用する前提条件に関して
MSRD-Collect を実行いただく際に管理者特権で実行し必要なデータを取得します。
実行時に End User License Agreement (EULA) が表示されます。 使用する際には EULA に承諾をいただくことが必須となっております。
一度承諾いただきますと、HKCU\Software\Microsoft\CESDiagnosticTools のレジストリに承諾いただいたデータが保存されます。
ユーザー単位での EULA の承諾
ユーザーごとの承諾として “-AcceptEula” のパラメーターをツールの実行時に引数として使用いただくことが可能でございます。
レジストリに承諾したデータが保存されずにユーザーが実行するたびに EULA の承諾のプロンプトが表示されます。
3. ツール実行時のオプションに関して
ツールは、複数のシナリオの中から、パラメーターを選択いただきご利用いただくことが可能でございます。パラメーターを入力いただかない場合は、 Core が自動で選択されます。

3.1 Core : Core data のみを取得と診断機能を実行します。 (Core data 以外の Profiles/FSLogix/OneDrive, Teams, MSIXAA, MSRA, SCard (Smart Card), IME, Dump 関連のデータは取得しません。)
3.2 Profiles : Core data と Profiles data の取得と診断機能を実行します。
3.3 Teams : Core data と Teams data の取得と診断機能を実行します。
3.4 MSIXAA : Core data と MSIX App Attach data の取得と診断機能を実行します。
3.5 MSRA : Core data と Remote Assistance data の取得と診断機能を実行します。
3.6 Scard : Core data と Smart Card data の取得と診断機能を実行します。
3.7 IME : Core data と input method data の取得と診断機能を実行します。
3.8 HCI : Core data と Azure Stak HCI data の取得と診断機能を実行します。
3.9 DumpPID
3.10 DiagOnly : データ取得を行わず診断機能だけを実行します。 (他のパラメーターが含まれている場合も含みます。)
パラメーターの使用例に関して
上記 3.1 - 3.10 をツール実行時に引数として入力いただきますと、与えたパラメーラーによって 3.1 - 3.10 のシナリオのデータを取得します。
3.1 の Core データのみを採取する際は以下のコマンドになります。
1 | .\MSRD-Collect.ps1 -Core -Machine isAVD |
Core と Profiles と MSIX App Attach と IME data を取得する際は以下のコマンドになります。
1 | .\MSRD-Collect.ps1 -Profiles -MSIXAA -IME -Machine isAVD |
プロセス ダンプを取得する場合は以下のコマンドになります。
1 | .\MSRD-Collect.ps1 -Machine isAVD -Core -DumpPID 13380 |
4. MSRD-Collect の取得手順に関して
ダウンロード頂いた MSRD-Collect ツール (https://aka.ms/msrd-collect) を事象が発生したコンピューターのデスクトップに配置いただき、ログを取得いただくシナリオを想定した手順をご紹介いたします。
4.1. 管理者として、事象が発生したコンピューターにログインします。
4.2. ダウンロードした MSRD-Collect.zip を事象発生機のデスクトップに配置し zip ファイルを解凍します。
4.3. PowerShell を管理者権限で実行します。
4.4 下記のコマンドを実行します。
1 | Set-ExecutionPolicy bypass -Scope Process -Force |
※ 初めて実行した際には下記の添付画像の EULA が表示され、同意が求められますので内容をご確認いただき [Accept] ボタンをクリックして下さい。

下記の添付画像の情報採取を許可いただけるかの確認画面が出力されます。 [Yes] を選択いただき、許可いただけますようお願い申し上げます。

4.5 コマンドを実行後に MSRD-Collect の下記の添付画像の GUI メニューが出力されます。GUI ウィンドウの上部左側の [AVD] を選択したことを確認後に [Start] をクリックしますと、ログの採取が開始されます。

※ 手順項番 4.4 の “.\MSRD-Collect.ps1” のコマンドの代わりに、 3.1 - 3.10 のパラーメーターを下記のコマンドの用に記述し実行することで、 GUI を出力せずに PowerShell の コマンド ライン インターフェイスでのみ実行することも可能でございます。4.4 のコマンドで GUI を用いたログ採取の方法が困難でございます場合、下記のコマンド ライン インターフェイスの方法もご実施いただけますと幸いでございます。
1 | .\MSRD-Collect.ps1 -Core -Machine isAVD |
4.6. C:\MSDATA に MSRD-Result-XXX.zip ファイルが出力されます。弊社に AVD のご利用環境の情報をご共有いただく際は、出力された MSRD-Result-XXX.zip ファイルをご共有ください。
手順は以上になります。
まとめ
本ブログ記事では MSRD-Collect に関してのご紹介ならびに使用方法に関してお伝えいたしました。
AVD をご利用いただく中で問題が起きた際には、本ブログを参照いただき MSRD-Collect をダウンロードいただけますと幸いでございます。また、本ブログの実行手順をご確認の上でデータの取得にご協力いただき、トラブルシューティングのために弊社に情報をご共有いただけますと幸いでございます。
本記事は、マイクロソフト社員によって公開されております。